性善説と性悪説(257)

最終更新日:2002年05月10日 船戸和弥のホームページ

哲学事典(森 宏一編集、青木書店 1981増補版)から引用:括弧内は参照頁。

 ともに中国の古代に主張された道徳思想の基礎となる人間性についての理解。性善説は孟子によって説かれ、人間は生まれつき<良知良能>がそなわっていて、これによって<仁義礼智>の四端(道徳の根本)をみずからのうちにもつことができ、これを拡充することができる。すなわち人間の本性は善なのであり、悪が生じるのは、人間が外物に誘惑されるからだと説明した。これに対して、性悪説は荀子の道徳思想の中心概念をなしていて、人間の道徳が先天的であることを否定し、<ヒトの性は悪なり、その善は偽なり>とする。性は生まれつきのもので、これは利己的欲望であるとし、偽とは作偽のことで、後天的な努力だとして、これをもって礼(日常の規律・国の制度・法律)に従うことに努めて、善を発揮しなければならないと説いた。→性