労働者階級 working class

最終更新日:2002年05月10日 船戸和弥のホームページ

哲学事典(森 宏一編集、青木書店 1981増補版)(p524)から引用

 資本主義社会の基本的階級の一方の側をいう。プロレタリアート(proletariat)はプロレタリア階級ということで、資本主義のもとの労働者階級と同じ意味。この語は古代ローマ時代の無産者(proletarius)に由来している。近代の労働者階級は、資本主義的産業によってつくりだされ発展したものであり、この階級にはひきつづき、農民・小生産者・そのほかの小所有者が没落して加わってゆき、その数を増大させる。この階級は支配的な資本家階級によって、経済的に搾取され、政治的には抑圧され、イデオロギー的には従属させられている。それは、この階級が生産手段をすべて所有しないところから、自己の労働力を資本家階級に売ることを余儀されていることにもとづいている。しかし労働者階級はこのように、いっさいの生産手段から引き離されていて、階級として搾取・抑圧のもとにおかれているから、マルクスのいうように<鉄鎖のほかに失うものはなにもなく>、自己を改革によって解放することで<得るものは全世界である>ということになる(《共産党宣言》)。すなわち、労働者階級は資本主義のもとでの社会的地位からして、その唯一の徹底的に革命的な階級であり、資本主義社会、そしてこれとともにいっさいの搾取・抑圧を除ききり、社会主義―共産主義をもたらす歴史的な任務をもつのである。労働者階級がこのような意識を持つのは、階級闘争のなかで育てられ、マルクス主義とその政党の出現によってその意識を明確に、しかも科学的形態で、自覚するにいたるからである。労働者階級が社会主義革命の勝利によって、新しく社会主義社会に生活することになると、その地位も性格も、資本主義のもととは根本的にちがったものとなる。被搾取・被抑圧の階級ではなくなり、かえって主たる生産手段が自分からの手中のものとなり、政治権力もまた自分らによってにぎられているのであるから、その革命によってももたらされたものは、、労働者階級が自主的となって社会を運営することであって、この階級はその同盟者である農民、そしてインテリゲンチヤとともに、社会主義を建設し、発展させて、共産主義にいたる指導勢力となる。