俗流唯物論vulgar materialism (286)

最終更新日:2002年05月10日 船戸和弥のホームページ

哲学事典(森 宏一編集、青木書店 1981増補版)から引用:括弧内は参照頁。

 19世紀なかばに、自然科学の急速な発展、とくに生物学・生理学の成果をもとにしながら、観念論や宗教に対立した唯物論の一種。これは自然科学者の自然発生的な唯物論によっていたが、しかし哲学を一般に否定して、すべてを自然科学に解消し、この体場から哲学問題にこたえようとした。主として生物学と生理学の知識から、意識と脳との関係は、肝臓と胆汁との関係に等しいとか、人間社会についても食事と気候などに依存するものだとかとして、哲学問題をいちじるしく単純化し一面化して解釈した。その代表者としてはフォークト、ビュヒナー、モレスコットらがいる。