有機体organism (486)

最終更新日:2002年05月10日 船戸和弥のホームページ

哲学事典(森 宏一編集、青木書店 1981増補版)から引用:括弧内は参照頁。

 生物体は無生物と違って、形態的にも機能的にも分化した諸部分からなり、そして部分相互のあいだ、および部分と全体とのあいだに密接な関連があって、全体として一つのまとまった統一体をなしている。有機体とはそういう構成(有機的構成)をもつものの意であって、狭義には生物のことである。生物の個体は分割されると統一体でなくなり、存在しえなくなる。ただし、植物や下等な動物、および個体発生の初期の段階では、かならずしも不可分ではない。高度の個体性は進化の所産である。なお有機体の語は、広義には、社会にも適用され、また宇宙を一つの有機体とみる考えもある。しかし、社会と個人との関係と、生物個体とその部分(たとえば細胞)との関係は同じではないので、両者を同じ原理によって構成されるものとして理解することは妥当ではない。→社会有機体説