対立物の統一と闘争の法則 low of unity and conflict of opposites

最終更新日:2002年05月09日 船戸和弥のホームページ

 哲学事典(森 宏一編集、青木書店 1981増補版)から引用

弁証法
対立物の統一と闘争の法則
量的変化から質的変化への移行の法則、およびその逆
否定の否定の法則

 唯物論的弁証法の根本法則。すべての実在に普遍的な法則であり、また人間の認識においてとらえられ、そこにおこなわれている法則である。それは、唯物論的弁証法の<核心>をなしている。ここで対立物といわれるものは、たがいに分かちえない統一にありながら、たがいに排除しあい、またたがいに浸透しあっている関係にあるものを意味し、矛盾しあっていることである。この場合に、対立物の統一は相対的であって、それらの闘争が絶対的なものであり、これによって統一をたもっている矛盾が解決されることで、さらにいっそうあらたな統一へと不断に発展していく。すなわち、すべて運動は、変化ということもふくめて、この統一における対立物の闘争を源泉としているのであり、したがって<自己運動>として理解されるのである。それゆえ、運動は外力によって生ずると考えるのは形而上学的思考であり、これによっては運動の結果が示されるだけであり、前後の運動状態がただ外的にくらべられて述べられるにすぎない。運動を自己運動として理解することによって事物を死んだ統一としてではなく、生きた姿おいて、運動の具体性において認識することが出来る。すなわち実在に見いだされるれる対立物の統一と闘争ということは、人間の認識につかまれることで、生き生きした具体的で全体的な認識を保障するのである。これは、弁証法的思考と言うことである。弁証法の<核心>をなすこの法則は、自然においても社会においてもおこなわれており、たとえば物質の微粒子においては波動と粒子の二性格において、また有機体では同化と異化との対立した過程において、さらに自然と社会との対立、社会における生産力と生産関係との対立(この対立は階級社会では階級闘争となってあらわれる)としてあらわれている。階級対立を克服した社会主義においては敵対的対立が廃棄されることによって、社会の対立・矛盾は適時に一致という仕方で解決させられる条件がつくりだされる。対立物の統一と闘争は、以上に診られるように、運動・発展の根源がどこにあるかを明らかにする法則である。