対立物の相互浸透interpenetration of opposites (293)

最終更新日:2002年05月09日 船戸和弥のホームページ

哲学事典(森 宏一編集、青木書店 1981増補版)から引用:括弧内は参照頁。

 エンゲルスは《自然弁証法》のうちの<弁証法>という覚え書きで、弁証法の基本法則として、1)量から質への、またその逆への転化の法則、2)対立物の浸透の法則、3)否定の否定の法則をあげている。この第二法則にあたるのが、この相互浸透である。これは、統一をたもっている事物のうちに、たがいに対立する要素があり、これらが相互に相手を制約しあうことである。自然および社会の諸事物は、すべて、みずからのうちにたがいに対立する要素を含み、この内的な矛盾によって事物は自己運動する。この内在的な対立要素は、たがいに、相手にたいして反発し否定しあい、相手の存在の仕方を条件づけあう関係にある。すなわち、これら対立要素は相手に影響をおよぼし、その作用を浸透させあっている。ここに事物自身の変化が生じるし、対立要素の一方が他を圧倒する影響・作用をおよぼすことで、事物はこれと異なる新たな事物に転化するにいたる。この関係をしめしたのが、相互浸透である。→対立物の統一と闘争の法則