錯覚illusion (160)

最終更新日:2002年05月09日 船戸和弥のホームページ

哲学事典(森 宏一編集、青木書店 1981増補版)から引用:括弧内は参照頁。

 外界に存在する事物について有する歪められた知覚のこと。これは、知覚をつくりあげる生理学的組織が正常に働いても、強烈な光線や著しく暗黒な環境で、物体について未誤りをするような異常な外部の条件のために生ずる。また、生理学的組織が病的な働きをする場合、たとえば酒に酔った状態にあるときにも生ずる。知覚がこのような現象を生じるので、ある種の観念論者や不可知論者は、知覚がつたえる外界の認識は当てにならないという一般的結論を引きだしもする。しかし正常な知覚と錯覚とは区別を成し得るのであるから、このような結論をだすのは正しいといえない。錯覚は、幻覚(hallucination)と区別されなければならない。幻覚は、実際に外界に対応する事物が存在しないのに、存在するかのような知覚をもつことで、麻薬の服用などで生じる知覚がその例となる。