理想主義idealism (504)

最終更新日:2002年05月09日 船戸和弥のホームページ

哲学事典(森 宏一編集、青木書店 1981増補版)から引用:括弧内は参照頁。

  理想をたて、これを実現しようとする生活態度、また人生観をいい、現にある事物の状態を承認し、これらともっぱら調和することを心がける意味での現実主義とは対立する。理想主義は、その追求する理想がたんに主観的な願望による場合と、現実から割りだされて求められる場合とがあり、前者は社会の理想にかんしていえばユートピアとなるが、後者はこれとはちがって社会の前進が期せられる。古代にプラトンが、現実を超越したイデアの世界を真実在とし、これを観想する理性的生活が人間の理想だとしたように、かれの観念論とその理想主義とが重なりあっている。言葉自体からいっても<idealism>は、観念論とも理想主義とも両様に用いられるので、この二つに混同があって、観念論は理想主義であるが、唯物論は上記の意味での現実主義であるように解釈される場合が多い。しかし、客観的な現実をもとにして立てられる理想の実現を追求するという点では、理想主義は唯物論と相容れないものではない。→理想