ヒエラルキー hierarchy (383-4)

最終更新日:2002年05月09日 船戸和弥のホームページ

哲学事典(森 宏一編集、青木書店 1981増補版)から引用:括弧内は参照頁。

 教権制、階層性などと訳される。もとギリシア後のヒエラルキア(hierarkhia)は<聖者の支配>を意味し、ローマ・カトリック教会の組織原則をなした。教会では、聖職者と平信徒の順位を分け、また聖職者は教皇を最上位として司教・司祭・助祭の段階がもうけられる。また俗世の国家も中世おいては教会の認可のもとにのみその統治権を得、帝王もまた教皇のもとの一段階に属した。このような、教皇を最上位として厳重につくられた上下の段階的組織が、ヒエラルキーといわれる。この組織は、現実生活で社会に支配・被支配の関係のあるところには生ずるものであるが、とくに封建制にあっては、支配身分である武士、その頂上の国王または領主から土地をあたえられ(封土)、国王・領主と主従の関係にたち、それ以下の主人と家来の関係でも同様な主従関係がむすばれて、段階的組織がつくられた。それはさらに、一般社会において士・農・工・商の身分の別として固定される。こうしたピラミッド型の上下組織がヒエラルキーといわれるものであり、カトリック教会の組織はこの封建性的組織の半影であり、その正当化である。この組織はたんに封建制のもとだけでなく、資本主義が独占段階に入り、巨大な企業組織をもつことによって、いわゆる<職務上のヒエラルキー>が形成されていき、これはただ職務上というだけでなく、支配・被支配の関係となってあらわれる。そして国家組織においても大規模な官僚組織をつくる。これが現代のヒエラルキーであり、資本主義がその成立の初期にかかげ、それを現実してきたブルジョア民主主義の否定をしめす。