進化論evolution theory (228)

最終更新日:2002年05月09日 船戸和弥のホームページ

哲学事典(森 宏一編集、青木書店 1981増補版)から引用:括弧内は参照頁。

 生物はすべて不変なものではなく、変化発達(進化)するものであるという説。その考えの芽えはギリシア時代にもあったが、科学的な理論としては、数世紀にわたる生物学、地質学、古生物学、および農学の発達を基礎として、主として、Ch.ダーウィンによって確立された。進化論によってはじめて、多種多様な生物の存在は、下等なものから高等なものへの進化の結果であると、その科学的説明あたえれた。進化論は、人類の起源および生物の無生物からの発生のもの(創造主、神、その他)を交えないで、自然そのものによって解釈する唯物論的世界観の、生物学における基礎を固めた。また生物を歴史的な発展過程としてとらえ、自然の弁証法的な理解の重要な一環となった。生物進化の事実そのものを疑うものはダーウィン以後ほとんどなくなったが、進化の過程を支配する法則や要因にかんしては、生物学の諸部門の発達とも関連して、ダーウィニズムに対立して、種々な学説が現れた。<隔離説>は、偶然に生じた変異をもつ個体ともとの個体とが、地理学的な条件その他によって長く隔離されることが、淘汰によりも主要な進化の要因であるとする。<定向進化説>は、一定の方向性をもつ生物の内在的な性質が進化の原因であるとし、適応、淘汰などの環境との関係の遺伝を手否定し、進化は、あるなんらかの原因で起こった遺伝的変異にもとづくとして、ただ淘汰だけを強調する。<突然変異説>は、進化は連続的な小異変の累積によるのではなく、突然的な費連続的な変異によるとする。<交雑説>は、異なる性質の個体の交雑による新しい個体の出現を進化の主要因とする。また、これらの説の組合せもある。<ミチューリン生物学>は、これらの諸説はダーウィニズムの総合性を理解せず、唯物論的知見からも弁証法的(進化論的)見地からも離反しているとする。