経験批判論empirio-criticism (112)

最終更新日: 2000年06月15日 船戸和弥のホームページ

哲学事典(森 宏一編集、青木書店 1981増補版)から引用:括弧内は参照頁。

 マッハ主義(Machism)ともいう。ドイツの哲学者アヴェナリウスとその一派の主観的観念論。マッハの認識論も含まれる。ひとびとに直接に事実としてあたえられているのは感覚のみだとし、これを<純粋経験>または<世界要素>とよび、主観と客観、意識と存在、心理的なものと物理的なものの対立を<原理的同格>とみた。こうして、この対立する両者をきりはなして、どちらかの独立性、本源性をみとめるのは、唯物論または観念論であって、これは独断的な形而上学だときめつけ、自己の<原理的同格>の見地が両者を越えた真の哲学だと主張した。しかし、それぞれの人間の意識上の感覚を基礎とするものだから、主観的概念論的にならざるをえない。その見解は1905年~7年のロシア第一次革命後の反動期にそこのマルクス主義哲学に影響をあたえ、それによる修正主義哲学があらわれた。レーニンはその著《唯物論と経験批判論》で、かれらの立場が18世紀のバークリの哲学のむしかえしにすぎないのを暴露している。この見解と同一系列にある現代哲学には、プラグマティズムや論理実証主義などがある。