概念concept (50)

最終更新日: 2002年05月09日 船戸和弥のホームページ

哲学事典(森 宏一編集、青木書店 1981増補版)から引用:括弧内は参照頁。

 事物やその過程の本質的諸特徴を反映する思考形式で、人間の思考活動の基本的単位。人間は、太古以来の生産活動と、やがて階級社会での階級闘争とのなかで、事物・過程について概念を形成してきた。概念を用いて人間は、事物やその過程の本質的諸特徴をとらえ、一般的なことがらについて考えることが出来るし、さらに法則を発見することができる。概念は、言語とともに生まれ、言語で表現される。言語で表現された概念が<名辞>である。名辞は、文法で言う名詞または単語にあたり、主語や術語として命題の構成要素となる。論理学的には、概念は判断の構成要素である、といえる。しかしまず概念があって、それが結合されて判断できるというわけでなく、多数の事物・過程について社会的実践の中でおこなわれる判断を前提し基礎として形成されてくるのである。すなわち、概念は、事物・過程がさまざまに比較され、私行上でその構成要素へ分けられ(分析)、その本質的諸特徴が非本質的諸特徴と区別してとりだされ(抽象)、こうした本質的諸特徴が概括される、という手続きで形成される。このことは、日常生活における<木>などの単純な概念の形成についても、高度に発達した科学で用いられる<核力の相互作用>などの抽象的な概念の形成につても、基本的には同様である。概念のこうした本質的諸特徴の総体を<内包>という。つまり、概念の意味内容のことである。これにたいし、概念を適用できる事物・過程の集合、つまり適用範囲の事を、<外延>という。内包と外延、すべての概念の構造をなくす契機であって、内包が貧しくなければなるほど外延はひろくなり、内包が豊かになればなるほど外延はせまくなる、という相互関連をもっている。両者は、実践がひろまり深まり科学が発達してくるにつれて、歴史的に変化してきたし、これからも変化していく。概念の内包を明示的に規定する手続きが<定義>である。→カテゴリー