認識cognition (367)

最終更新日: 2002年05月09日 船戸和弥のホームページ

哲学事典(森 宏一編集、青木書店 1981増補版)から引用:括弧内は参照頁。

 認識という語は、知識と同義であるが、知識は知る作用よりも、知った成果をさしているが、認識は成果とともに、知る作用をもふくめた意味を持つ。人間は認識過程を通じて歴史的に客観世界(自然・社会)についての認識(知識)をえていき、この成果にもとづいて客観世界に働きかけ、これを変化させ改造する。認識の意義は、たんに客観世界について知るという知的満足につきるのでなく、人間の実践に、その実際生活に役だつところにある。この知的成果と実践・生活との相互関係があってこそ認識は発展していくのであり、思弁のうちだけでそれが磨かれるのではない。しかし、認識と実践との関連を重視することは欠きえないが、認識過程は単純ではないから、たとえば感覚から思考による精錬をへて成立するころからみても、思想そのものがたどる初段階の研究をないがしろにすることはできない。認識について考察する哲学の分野は、認識論とよばれる。→認識論