ブルジョアジー bourgeoisie (412-3) 

最終更新日: 2002年05月09日 船戸和弥のホームページ

哲学事典(森 宏一編集、青木書店 1981増補版)から引用:括弧内は参照頁。

 資本家階級をいう。ブルジョア(bourgeois)とは、もと<都市城壁内に住む人>、つまり中世都市の自由市民を意味し、それが転じて都市の内外を問わず、近代資本主義社会の形成の推進力として封建制に対抗しながら、手工業おゆおび商業の担い手となって、商工業を発展させてきた人びとをさす。《共産主義宣言》は、ブルジョアジーの発展のありさまを手にとるようにえがいている。すなわち、-中世の農奴のなかから、初期の都市特許市民ができ、これからブルジョアジーの最初の分子が発展してきた。アメリカの発見、アフリカの周航は、勃興しつつあったブルジョアジーのために新しい活動分野をひらいた。これまでの封建的な、すなわちギルド(同職組合)的な手工業の経営方法では、新しい市場とともに増大する需要を、もはや満たしえなかった。マニュファクチュアがそれに代わった。だが、市場はますますひろがり、需要はますますふえた。マニュファクチュアでも、もう不十分に。蒸気力と機械とが工業生産を革命化した。マニュファクチュアに代わって近代的大工業が、産業的中産身分に代わって産業的百万長者、一大産業軍の統率者たち、すなわち近代のブルジョアが、あらわれた。大工業は、世界市場をつくりだした。ブルジョアジーは発展し、その資本をふやし、中世からうけついだあらゆる階級をうしろにおしのけた。大工業と世界市場がつくりだされていらい、ブルジョアジーはつねに、近代の代議制国家において、排他的な政治支配をたたかいとった。近代国家権力は、ブルジョア階級全体の共同事務を処理する委員会にすぎない。ブルジョアジー、すなわち資本が発展するのに比例して、プロレタリアート、すなわち近代労働者の階級も発展する。ブルジョアジーの時代は、階級対立を単純にしたことを特徴とする。社会全体が、敵対する二大陣営へ、直接相対二大階級へ、ますます分裂しつつある。ブルジョアジーとプロレタリアートへである。しかも今日、プロレタリアートが真に革命的な階級であり、ブルジョアジーは自己の生命を終わらせる勢力を、みずからの発展のなかから生み出す。--以上の《宣言》の言葉の引用は、ブルジョアジーについてその性格を明らかにしている。