絶対と相対absolute and relative (266)

最終更新日: 2002年05月09日 船戸和弥のホームページ

哲学事典(森 宏一編集、青木書店 1981増補版)から引用:括弧内は参照頁。

 絶対とは、条件づけられることなく、独立的で、それ自体において完全であることを意味する。相対というのに対立する。運動する物質そのものは、なんら条件づけられておらず、制約されず、なにものにも依存していないから、絶対ということができる。。しかし、物質の運動には具体的な無数の種類があり、それらはたえず変化し、一は他のものへと移りゆくので、これら具体的な物質のあらわれは絶対といえず、相対である。すなわち、条件づけられており、それだけで独立しておらず、他との関係のうちにある。それと同時に、この相対のなかには、物質の絶対的運動をふくむので、たんに相対ではなく、絶対をそのなかにもつ。絶対は相対と対立しながら、またこのような関連をもっている。絶対のみ真実在として、相対を仮幻とするのは、形而上学的しくの産物であって、観念論者によって説かれたものである(たとえばプラトン)。また世界の根本的実在として、精神を絶対としてみとめると、これまた観念論を生みだす。