一般解剖学

系統解剖学



最終更新日: 12/05/16

funalogo.gif (2604 バイト)












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Alimentary system; Digestive system(消化器;消化器系)Systema digestorium

[A05_0_00_000] →(栄養分を取りこむ器官系で、言い換えれば、身体の成長に必要な物質と身体の活動を支えるためのエネルギー源とを取り入れるのが消化器の役割である。消化器は口腔・咽頭・食道・胃・小腸・大腸などから構成された「消化管」とこれに開く唾液腺・肝臓・膵臓などの「消化腺」とから出来ている。)

Large intestine(大腸)Intestinum crassum だいちょう Feneis: 124 17

[A05_7_01_001] →(大腸は消化管の一部で、回盲弁から肛門までの部分。大腸は回腸につづき、右腸骨窩から上行し、逆U字状に走る腸管。その長さは、日本人では平均男性161cm、女性158cmである。大腸は盲腸、結腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)、直腸からなる。小腸と大腸(結腸)と比較してみると、①小腸と十二指腸以外は可動性であるが大腸は横行結腸のみが可動性ある。②大腸は小腸に比して太い。③小腸の縦走筋は腸管の全週に一様に走行しているが、大腸では虫垂以外で3本の結腸ヒモの部分に集まり、他の部分では縦走筋の発達は悪い。④大腸には結腸隆起がある。⑤腹膜垂がある。⑥結腸には輪状ヒダや絨毛がない。小腸で消化、吸収を受けた食塊は、半流動状体で回腸から盲腸に入ってくるが、結腸を通過する間に、電解質と水が吸収されるとともに、粘膜から分泌された粘液が混じり糞便になる。通常、糞便はS状結腸-直腸境界部より口側に貯えられている。大腸は、盲腸から肛門によって体表に開口する肛門管までをいう。)

腹部内臓の位置関係III. 腹腔の後壁の左半をみる.  腸間膜小腸を右の方に飜転してある.  * 上十二指腸結腸間膜ヒダ.  † 下十二指腸結腸間膜ヒダ.

腹部内臓の位置関係IV. 腹腔後壁をみる.腸間膜小腸は空腸の最初のところから回腸の終りのところまで除去し,小腸間膜はその根のところで切りとってある.

大腸 中等度に充ちている. レントゲン像(W. Knothe作)

腹部内臓の位置関係V.

十二指腸・膵臓・脾臓および後腹壁の諸器官を自然の位置で示す

消化管の5つの口ート状の部分をしめす模型図 1口腔,2咽頭と食道,3胃,4小腸,5大腸と直腸.

Mucosa of large intestine; Mucous membrane of large intestine(粘膜(大腸の);大腸粘膜)Tunica mucosa intestini crassi ねんまく(だいちょうの);だいちょうねんまく Feneis: 126 09

[A05_7_01_006] →(大腸の粘膜表面は、腸絨毛を欠き、比較的平坦であるが、腸陰窩は存在する。粘膜上皮は、小皮縁をもつ吸収上皮細胞の小皮縁は、小腸のそれに比べて発達は極めてわるい。大腸のすべての部位(盲腸、結腸、直腸、肛門)の粘膜性被膜(上皮、固有層、粘膜筋板)の総称。)

Lamina propria mucosae of large intestine(粘膜固有層(大腸の))Lamina propria mucosae ねんまくこゆうそう(だいちょうの) [A05_7_01_006_1]

Muscularis mucosae of large intestine(粘膜筋板(大腸の))Lamina muscularis mucosae (Intestini crassi) ねんまくきんばん(だいちょうの) Feneis: 126 10

[A05_7_01_007] →(大腸の粘膜筋板は、内側の輪走および外側の縦走平滑筋線維束からなり、比較的よく発達している。)

Intestinal glands of large intestine(腸腺(大腸の))Glandulae intestinales crassi ちょうせん(だいたいの) Feneis: 126 11 [A05_7_01_008]

Solitary lymphatic follicles(孤立リンパ小節(大腸の))Nodulus lymphaticus solitarius こりつりんぱしょうせつ(だいちょうの) Feneis: 126 12 [A05_7_01_008_1]

Submucosa of large intestine(粘膜下組織(大腸の))Tela submucosa intestini crassi ねんまくかそしき(だいちょうの) Feneis: 126 08

[A05_7_01_005] →(大腸の粘膜下組織は、小腸の粘膜下組織とほぼ同じ構造であるが、時に脂肪細胞が単独ないし小塊をなして散在している。)

Muscular layer of large intestine(筋層(大腸の))Tunica muscularis intestini crassi きんそう(だいちょうの)

[A05_7_01_004] →(大腸の筋層は内輪筋層と外輪筋層から形成されているが、部分的に外縦筋層が肥厚し、結腸ヒモを形成する。直腸では結腸ヒモを欠くが、小腸の筋層よりも厚く、特に外縦筋層が発達している。)

Longitudinal layer(縦筋層(大腸の))Stratum longitudinale じゅうきんそう(だいちょうの) [A05_7_01_004_1]

Circular layer(輪筋層;輪層(大腸の))Stratum circulare りんきんそう;りんそう(だいちょうの) [A05_7_01_004_2]

Serous coat of large intestine(漿膜(大腸の))Tunica serosa intestini crassi しょうまく(だいちょうの)

[A05_7_01_002] →(大腸の漿膜は横行結腸とS状結腸は、全週を漿膜によっておおわれているが、その他の部位では外膜を備える。また、結腸ヒモに沿った部分の漿膜下組織には、多量の脂肪組織が存在し、小葉状の漿膜ヒダ(腹膜垂)をなすが、その生理的意義は明らかではない。)

Subserosa of large intestine; Subserous layer of large intestine(漿膜下組織(大腸の))Tela subserosa intestini crassi しょうまくかそしき(だいちょうの) [A05_7_01_003]

Caecum; Cecum(盲腸)Caecum; Cecum もうちょう Feneis: 124 18

[A05_7_02_001] →(大腸の起始部で回盲弁の高さから下方へ膨隆した深さ6cm、幅7cmの盲嚢で右腸骨窩に位置する。その外表は腹膜で完全に(ときに不完全に)おおわれており、わずかに可動性である。壁は大腸中、最も薄く、ガスの充満によって膨大しやすい。結腸ヒモは前、後、左側面にみられる。下端後左方から虫垂が突出している。回腸が盲腸へ開口する部位、回盲口は、盲腸と上行結腸の境でその左後壁に位置する。この開口部には上唇と下唇からなる回盲弁があり、内容の逆流を不正でいる。上唇と下唇はおのおのの両端が互いに合して盲腸内面に輪状に走る回盲弁小帯という提状の高まりをつくっている。盲腸と虫垂は派生学的に中腸の遠位側半部に生じる小さな膨出、すなわち盲腸芽(網腸憩室)から生じる。網腸憩室の近位部は太く盲腸となり、先端部は発達が悪く細く管状の虫垂になる。盲腸は始め上方にあるが、結腸の近位部が成長とともに長く伸びるので、盲腸も下行する。)

盲腸と虫垂,および回腸の終りの部とその付近の腹膜嚢 (3/4)

盲腸と虫垂,および回腸の終りの部 アルコ一ルにより硬化した標本 (3/4) 盲腸の前壁は大部分とり除いてある.

Ileal papilla(回盲乳頭;回腸乳頭)Papilla ilealis かいもうにゅうとう;かいちょうにゅうとう Feneis: 124 19a

[A05_7_02_002] →(Papilla ileocaecalis (-cecalis)回盲乳頭(回腸乳頭))

Ileocolic lip; Superior lip(回腸結腸唇;上唇(回腸口の))Labrum ileocolicum; Labrum superius ostii ilealis かいちょうけっちょうしん;じょうしん(かいちょうこうの) [A05_7_02_005]

Ileocaecal lip; Inferior lip(回盲唇;下唇(回腸口の))Labrum ileocaecale; Labrum inferius ostii ilealis かいもうしん;かしん(かいちょうこうの) [A05_7_02_006]

Frenulum of ileal orifice; Frenulum of ileocecal valve(回盲弁小帯;回腸口小帯;結腸弁小帯)Frenulum ostii ilealis; Frenula valvulae coli; Frenulum valvae ileocaocalis かいもうべんしょうたい;かいちょうこうしょうたい;けっちょうべんしょうたい Feneis: 124 21

[A05_7_02_004] →(回盲弁の二唇が合うところから、両側にのびるヒダ。)

Ileal orifice; Orifice of ileal papilla; Ilieocecal opening(回腸口;回盲口;回盲結腸口;回腸乳頭口)Ostium ileale; Ostium ileocecale; Ostium iliocaecocolicum; Ostium papillae ilealis かいちょうこう;かいもうこう;かいもうけっちょうこう;かいちょうにゅうとうこうBauhin's valve Feneis: 124 20

[A05_7_02_003] →(バウヒン弁ともよばれる。回腸弁の別名。ボーアン弁とも発音される。回腸が盲腸に開く部にみられる2葉の水平なヒダ(上唇と下唇)からなる。スイスの植物学者・解剖学者Gaspard [Caspar] Bauhin (1560-1624)によって記載された構造である。回盲口は盲腸の後内側壁に開口しているが、その口にはクチビルのような回盲弁が存在する。この弁を盲腸と上行結腸との便宜的な境界とするのが習わしである。)

Appendix; Vermiform appendix(虫垂)Appendix vermiformis ちゅうすい Feneis: 124 22

[A05_7_02_007] →(虫垂は、盲腸の内側下部からでて、盲端に終わる細長い腸であるが、長さ6~15cm、直径は6~10mmである。虫垂は腹膜に包まれる。腹膜は三角形を呈する腹膜ヒダ、すなわち虫垂間膜をつくり、回腸末端部の腸間膜の腹膜後葉に連なる。その起始部を体表へ投射した点がいわゆるマクバーネー点(MacBurney's point)(上前腸骨棘と臍を結ぶ線上で外側3分の1の点)である。虫垂の起始部、虫垂口は盲腸の三つの結腸ヒモが集まっておわる部位であるから、手術時に結腸ヒモに沿って下行すれば容易に虫垂に達することができる。虫垂の位置は盲腸の後方へあるもの74%、内下方へ向かうもの21%である。その形状や大きさは、個人によって著しく異なる。虫垂の内腔は狭く、しばしば老廃物等によって完全に閉鎖されていることがある。虫垂は、粘膜、粘膜下組織、筋層、漿膜によって構成されているが、粘膜固有層から粘膜下組織にかけて、リンパ小節が異常によく発達していることを特徴とする。)

27才の男の虫垂をひろげて横断したもの.

Orifice of vermiform appendix(虫垂口)Ostium appendicis vermiformis ちゅうすいこう Feneis: 124 23

[A05_7_02_008] →(虫垂口は虫垂が盲腸へ開く口。)

Aggregated lymphoid nodules of vermiform appendix(集合リンパ小節(虫垂の))Noduli lymphoidei aggregati appendicis vermiformis しゅうごうりんぱしょうせつ(ちゅうすいの) Feneis: 124 24

[A05_7_02_009] →(虫垂の集合リンパ小節は虫垂壁にあるリンパ組織。)

Precaecocolic fascia(盲腸結腸前筋膜)Fascia precaecocolica もうちょうけっちょうぜんきんまくJackson's membrane, veil [A05_7_02_010]

 

Colon(結腸)Colon けっちょう Feneis: 124 25

[A05_7_03_001] →(結腸の縦走筋は縦走する3本の結腸紐にほぼまとめられている。1本は結腸の前面を走り、横行結腸ではそこに大網が付着しているので大網ヒモとう。後壁中央を走行する結腸ヒモは腸間膜が付着するので間膜ヒモという。残りの1本のヒモは何もつかないので自由ヒモとよばれている。これら3本の結腸ヒモは結腸壁をたぐり寄せることになり、そのために半月状のヒダを内腔へ突出させることになる。これが結腸半月ヒダである。またこのヒダの間の壁は外表へ膨隆し、結腸隆起をなす。大網ヒモと自由ヒモに沿って脂肪組織が発達し黄色の突出物、腹膜垂が見られる。)

Ascending colon(上行結腸)Colon ascendens じょうこうけっちょう Feneis: 124 26

[A05_7_03_002] →(上行結腸は右腸骨窩において第5腰椎の高さで盲腸上端からおこり、上行して肝臓の右葉下面にある、右結腸曲までの15~20cmの結腸。前面と側面は腹膜でおおわれて腸間膜はない。)

Right colic flexure; Hepatic flexure(右結腸曲;肝臓結腸曲)Flexura coli dextra; Flexura coli hepatica うけっちょうきょく;かんぞうけっちょうきょく Feneis: 124 27

[A05_7_03_003] →(上行結腸と横行結腸の弯曲。(Feneis))

Transverse colon(横行結腸)Colon transversum おうこうけつちょう Feneis: 124 28

[A05_7_03_004] →(横行結腸は右結腸曲から左方に走り、やや上行して脾臓の下端で左結腸曲に達するまでの約30~50cmの結腸。その外表面は腹膜によって完全におおわれ、長い横行結腸間膜によって後腹壁に付着している。前腹壁との間には大網がある。横行結腸は広い横行結腸間膜をもつので、大きな可動性をもつ。横行結腸は前下方に球状を呈して横走し、その中央部は下垂する。その最下位は背臥位でほぼ臍の高さにあるが、直立位でとくに充満する時には下腹部さらに骨盤にまで下垂する。広い横行結腸間膜によって、腹膜腔は上・下2部に分けられる。)

Left colic flexure; Splenic flexure(左結腸曲;脾結腸曲)Flexura coli sinistra; Flexura coli splenica さけっちょうきょく;ひけっちょうきょく Feneis: 124 29

[A05_7_03_005] →(左結腸曲は横行結腸と下行結腸の移行部における弯曲で、左側横隔膜円蓋の直下に位置する。)

Descending colon(下行結腸)Colon descendens かこうけっちょう Feneis: 124 30

[A05_7_03_006] →(下行結腸は左結腸曲から下行し、左腸骨窩においてS状結腸へ移行する。長さ25~30cmで、左結腸曲からほぼ垂直に下行し、左結腸窩でS状結腸に移行する。下行結腸は、上行結腸に比べて、細く、前方には大網・小腸があり、後方には左腎臓の外側縁・腰方形筋・腸骨筋・大腰筋が接する。上行結腸と同様腸間膜を欠き後腹壁に固定されている。下行結腸に沿って結腸傍溝が走る。とくに外側の傍溝は下方で骨盤腔に連なり、上方では横隔結腸ヒダで境される。)

下行結腸の壁の縦断,同時に1つの結腸半月ヒダが横断されている.

Sigmoid colon(S状結腸)Colon sigmoideum えすじょうけっちょう Feneis: 124 31

[A05_7_03_007] →(S状結腸は骨盤上口と第3仙椎との間で、S状の曲線を描いて下行する部分。下行結腸下端からS字状に屈曲下行して内下方へ向かい、第3仙椎の前方で直腸へ移行する。長さ30~45cmである。ほぼ左側の腸骨稜の高さに始まり、左外腸骨動脈の前を不規則なS状をえがいて下行し、直腸に移行する。S状結腸の走行は一般に不整なS状で、2箇所で弯曲する。すなわち、まず骨盤の左側壁に接して下行し、ついで弯曲し小骨盤内を内上方に走り、再び弯曲して下走し、仙骨前面で第3仙椎の高さにおいて直腸に移行する。S状結腸は、成人では骨盤内にあるが、小児では骨盤がなお小さいので腹部にある。)

Semilunar folds of colon(結腸半月ヒダ;半月ヒダ)Plicae semilunares coli けっちょうはんげつひだ;はんげつひだ Feneis: 124 32

[A05_7_03_008] →(結腸半月ヒダは結腸膨起間にある、腸壁全層からできている半月状の収縮ヒダ。)

Haustra of colon; Colic haustra(結腸膨起)Haustra coli けっちょうぼうき Feneis: 124 33

[A05_7_03_009] →(結腸膨起は二つの半月ヒダの間にある袋状のふくらみ。)

Omental appendices; Epiploic appendices; Fatty appendices of colon(腹膜垂;大網垂;結腸脂肪垂)Appendices omentales; Appendices adiposae coli; Appendices epiploicae ふくまくすい;たいもうすい;けっちょうしぼうすい Feneis: 124 34

[A05_7_03_010] →(腹膜垂[epiploic appendages、羅appendices epiploicae]大網ヒモと自由ヒモのところで結腸結腸(腹膜)のところどころにみられる黄色、葉状の下垂物。漿膜中皮の下層の脂肪細胞が局所的に集積することによる。結腸の形態学的な特徴の1つ。[医学書院医学大辞典:相磯貞和])

Muscular layer of colon(筋層(結腸の))Tunica muscularis coli きんそう(けっちょうの) Feneis: 126 01

[A05_7_03_011] →(結腸の筋層は内輪筋と外縦筋層から構成される。)

Longitudinal muscle layer of colon(縦筋層(結腸の))Stratum longitudinale tunicae muscularis coli じゅうきんそう(けっちょうの) Feneis: 126 02

[A05_7_03_012] →(結腸の縦筋層は外側の、厚さが一様でない縦走筋層。)

Taenia coli(結腸ヒモ)Taeniae coli けっちょうひも Feneis: 126 03

[A05_7_03_013] →(結腸ヒモは約1cm幅の縦筋層の肥厚部。直腸を除く大腸の縦筋線維が集まってできた3つの帯で間膜ヒモ、自由ヒモ、大網ヒモと名づけられている。間膜ヒモは腸間膜が付着する部位に、自由ヒモは間膜ヒモの反対側に、大網ヒモは大網が横行結腸に付着する部位にある。)

Mesocolic taenia; Mesocolic tenia(間膜ヒモ)Taenia mesocolica かんまくひも Feneis: 126 04

[A05_7_03_014] →(間膜ヒモは横行結腸間膜が横行結腸の後壁につく所にあり、上行結腸と下行結腸ではその後ろ内側壁にある。)

Omental taenia(大網ヒモ)Taenia omentalis たいもうひも Feneis: 126 05

[A05_7_03_015] →(大網ヒモは大網がつくところにある横行結腸のヒモ。)

Free taenia; Free tenia(自由ヒモ)Taenia libera じゆうひも Feneis: 126 06

[A05_7_03_016] →(自由ヒモは間膜ヒモと大網ヒモの間にヒモ。)

Circular muscle layer of colon(輪筋層;輪層(結腸の))Stratum circulare tunicae muscularis coli りんきんそう;りんそう(けっちょうの) Feneis: 126 07

[A05_7_03_017] →(結腸の輪筋層は内側の輪走筋層。)

 

Rectum(直腸)Rectum ちょくちょう Feneis: 126 13

[A05_7_04_001] →(直腸は消化管の末端部でS状結腸につづく大腸の一部である。結腸から直腸への移行はゆるやかで、仙骨中央部あたりがほぼ両者の境界となる。直腸は腸間膜を欠き、直腸ヒモを示さない部分である。直腸の下端は、骨盤隔膜を貫く寸前までで、それ以下は肛門管である。肛門管の直上部にあたる直腸窩部はふくらみ、ここを直腸膨大部という。膨大部上方には横走するヒダが2~3本認められ、直腸横ヒダといい、最も恒常的なものは右壁にあって、コールラウシュのヒダという。直腸ははじめ仙骨の曲がりに沿って前方に凹の間借りを示し、これを仙骨曲といい、下端近くでは前方に凸の曲がりを示し、これを会陰曲という。直腸壁の平滑筋の筋層のうち、重筋層と一部の輪筋層は周辺の臓器へとのび、直腸尾骨筋、直腸膀胱筋、直腸尿道筋などとよばれる筋束をなす。直腸が内容をいれて拡張すると、壁の伸展刺激は求心性神経線維によって仙髄に伝えられ、反射的に内容の排出、すなわち排便が起こる。このような排便中枢の中枢は仙髄(S2~4)にあり、肛門脊髄中枢anospinal centerといわれる。排便defecationのさいには、交感神経が抑制されるとともに、副交感神経の興奮が高まって、大腸の蠕動・収縮がおこり、内肛門括約筋は弛緩し、さらに陰部神経を介して外肛門括約筋も随意的に緩められる。そのほかに、腹壁の筋・横隔膜・骨盤隔膜を作る子横紋挙筋の収縮によって腹圧が高められ排便を助ける。)

直腸を外方から剖出する(3/4) *コールラウシュヒダに相当するところのへこみ.

直腸 上と同じ標本を前方の正中線で切り開いて,壁の左右両半を少しく側方にひっぱってある(3/4)

Sacral flexura of rectum; Rectal sacral flexure; Sacral rectal flexure(仙骨曲(直腸の))Flexura sacralis recti せんこつきょく(ちょくちょうの) Feneis: 126 14

[A05_7_04_002] →(直腸の仙骨曲は前方へ凹の、仙骨に一致した直腸弯曲。)

Lateral flexures of rectum(外側曲(直腸の))Flexurae laterales recti がいそくきょく(ちょくちょうの) [A05_7_04_003]

Superodextral lateral flexure of rectum; Superior lateral flexure of rectum(外側上右曲;外側上曲(直腸の))Flexura superodextra lateralis recti; Flexura superior latealis recti がいそくじょううきょく;がいそくじょうきょく(ちょくちょうの) [A05_7_04_004]

Intermediosinistral lateral flexure of rectum; Intermediate lateral flexure of rectum(外側中間左曲;外側中間曲(直腸の))Flexura intermediosinistra lateralis recti; Flexura intermedia lateralis recti がいそくちゅうかんさきょく;がいそくちゅうかんきょく(ちょくちょうの) [A05_7_04_005]

Inferodextral lateral flexure of rectum; Inferior lateral flexure of recti(外側下右曲;外側下曲(直腸の))Flexura inferodextra lateralis recti; Flexura inferior lateralis recti がいそくかうきょく;がいそくかきょく(ちょくちょうの) [A05_7_04_006]

Anorectal flexure; Perineal flexure(肛門直腸曲;会陰曲)Flexura anorectalis; Flexura perinealis こうもんちょくちょうきょく;えいんきょく Feneis: 126 15

[A05_7_05_002] →(会陰曲は前方へ凸の、肛門のすぐ上にある直腸弯曲。)

Anorectal junction(肛門直腸連結)Junctio anorectalis こうもんちょくちょうれんけつ [A05_7_05_003]

Rectal ampulla(直腸膨大部)Ampulla recti; Pars ampullaris recti ちょくちょうぼうだいぶ Feneis: 126 16

[A05_7_04_008] →(直腸膨大部は肛門管の上にある直腸拡張部。)

Muscular layer of rectum(筋層(直腸の))Tunica muscularis recti きんそう(ちょくちょうの) Feneis: 126 17

[A05_7_04_009] →(直腸の筋層は内輪筋層は、移行部付近で最も肥厚し、内肛門括約筋を形成して終わっている。外縦筋層は、徐々に、肛門挙筋(縦走する骨格筋)に置き換えられていき、やがて結合組織中に終わる。また、内肛門括約筋の外側には、輪走する横紋筋があり、これを外肛門括約筋とよぶ。)

Longitudinal muscle layer of rectum(縦筋層(直腸の))Stratum longitudinale tunicae muscularis recti じゅうきんそう(ちょくちょうの) Feneis: 126 18

[A05_7_04_010] →(直腸の縦筋層は全周に一様に分布する縦走筋層。)

Rectococcygeus; Rectococcygeus muscle(直腸尾骨筋)Musculus rectococcygeus ちょくちょうびこつきん Feneis: 126 21

[A05_7_04_011] →(第二~三尾骨から直腸へ張る薄い板状の平滑筋。(Feneis))

Anorectoperineal muscles; Recto-urethral muscles(肛門直腸会陰筋;直腸尿道筋)Musculi anorectoperiales; Musculi rectourethrales こうもんちょくちょうえいんきん;ちょくちょうにょうどうきん Feneis: 158 07

[A05_7_04_012] →(直腸尿道筋は直腸縦走筋から膀胱底の側面にいたる平滑筋。)

Rectoperinealis; Recto-urethralis superior; Rectoperinealis muscle; Recto-urethralis superior muscle(直腸会陰筋;上直腸尿道筋)Musculus rectoperinealis; Musculus rectourethralis superior ちょくちょうえいんきん;じょうちょくちょうにょうどうきん [A05_7_04_013]
Anoperinealis; Recto-urethralis inferior(肛門会陰筋;下直腸尿道筋)Musculus anoperinealis; Musculus rectourethralis inferior こうもんえいんきん;かちょくちょうにょうどうきん [A05_7_04_014]
Rectovesicalis(直腸膀胱筋)Musculus rectovesicalis ちょくちょうぼうこくきん Feneis: 158 06

[A04_5_03_017] →(直腸膀胱筋は直腸縦走筋から膀胱底の側面にいたる平滑筋。)

Circular muscle layer of rectum(輪筋層;輪層(直腸の))Stratum circulare tunicae muscularis recti りんきんそう;りんそう(ちょくちょうの) Feneis: 126 19

[A05_7_04_015] →(直腸の輪筋層は内側にある輪走筋層。ここは半月ヒダは形成されない。)

Lateral ligament of rectum; Rectal stalk(外側直腸靱帯;直腸柄)Ligamentum recti laterale がいそくちょくちょうじんたい;ちょくちょうえ [A05_7_04_016]

Transverse folds of rectum(直腸横ヒダ)Plicae transversae recti ちょくちょうおうひだHouston's valve (middle of three); Kohlrausch's fold (middle of three) Feneis: 126 23

[A05_7_04_007] →(ヒューストン弁ともよばれる。直腸内に複数みられ、ヒューストン襞ともいう。直腸横ヒダは通常3本の、側壁に横走するヒダ。その中間の最大のものは肛門の上方約6cmのところに右壁からでており(コールラウシュ(Kohlraush)ヒダ)、他のものは左壁からでている。アイルランドの内科医John Houston (1802-1845)により、1830年に報告された。『コールラウシュ襞』:ヒューストン弁群の中央にあり、とくに著明なヒダをさす。ドイツの医師Otto Ludwing Bernard Kohlraush (1811-1854)の名を冠する。)

 

Anal canal(肛門管;直腸肛門部)Canalis analis; Pars analis recti こうもんかん Feneis: 126 24

[A05_7_05_001] →(肛門管は直腸の下端部で、直腸が骨盤角膜を貫いて肛門に開くまでをいう。長さ約3cm。直腸膨大部と肛門管との境界は骨盤底で、ここでは骨盤隔膜(肛門挙筋の恥骨直腸筋)で囲まれている。恥骨直腸筋は直腸をループ状に囲むので、この筋によって直腸は前方にひっぱられ、前方に凸の屈曲(会陰曲)は強められる。肛門管は上・中・下の3部に分けられる。①上部は粘膜で被われる粘膜帯mucosal zoneともいう。粘膜には6~10条の長さ約1cmの縦走ヒダ、すなわち肛門柱がみられる。このため上部を肛門柱帯columnar zoneともいう。中部は肛門弁の下方で、上部(粘膜部)と下部(皮膚部)との間の移行部である。長さ1~1.5cmである。表面は部分的に円柱上皮と重層扁平上皮とで被われる。粘膜下に静脈叢が発達するので、中部は生体で青白色にみえる。下部は皮膚の性状をもち、皮膚帯cutaneous zoneといわれる。すなわち、メラニン色素に富む重層扁平上皮で被われ、感染もみられる。汗腺には大汗腺(アポクリン汗腺)の一種である肛門周囲線circumanal glandsもある。中部と下部との境界にヒルトンの白線がみられる。白線は直腸の筋層の外縦走から連なる結合組織線維が付着し、比較的血管に乏しいので、白っぽくみえる。明瞭でないことも多い。肛門管の発生は肛門域は浅く陥凹して外胚葉で被覆された肛門窩をつくる。その底に肛門膜があり、これが破れると内胚性上皮におおわれた後腸末端部と肛門窩がつながる。こうして形成された後腸末端部から肛門にかけての範囲を肛門管という。この部を取り囲む間葉から肛門括約筋が発生する。排便のさいに肛門管は拡張し、肛門洞にある粘液によって内面は滑らかになるので、内容を排出しやすくなる。)

Anorectal line; Herrmann's line(肛門直腸線;ヘルマン氏線)Linea anorectalis; Linea Herrmanni こうもんちょくちょうせん;へるまんしせん Feneis: 126 28

[A05_7_05_001_1] →(肛門管の上境界。恥骨直腸筋がつくる拳筋ワナの高さにあり、同時に肛門柱のすぐ上に位置する。 (Feneis) 肛門柱の上端を通る横位の線で、時には直腸の最下端の横ヒダにそった線を指す場合もある。いずれにせよ肉眼的に観察できる溝の存在や色調の変化はほとんど認められない。(岡嶋))

Anal columns; Rectal columns(肛門柱;直腸柱)Columnae anales; Columnae rectales こうもんちゅうMorgagni, Columns of Feneis: 126 25

[A05_7_05_004] →(肛門柱は直腸の筋層の内縦走筋と粘膜下組織に発達する静脈巣とによって生じる隆起である。隣り合う肛門柱の間は凹み、肛門洞といわれる。)

Anal sinuses(肛門洞;肛門陰窩;直腸洞)Sinus anales; Sinus rectales こうもんどう;こうもんいんか;ちょくちょうどう Feneis: 126 26

[A05_7_05_006] →(肛門陰窩anal cryptともよばれる。肛門柱間の凹みを肛門洞という。肛門洞には管状の肛門腺glandula analis, anal glandsがある。)

Anal transition zone; Hemorrhoidal zone(肛門移行帯;痔帯;肛門輪;痔輪)Zona transitionalis analis; Zona hemorrhoidalis; Anulus haemorrhoidalis こうもんいこうたい;じたい;こうもんりん;じりん Feneis:

[A05_7_05_007] →(肛門管中部は肛門括約筋で囲まれるので、輪状にやや高まる。このような性状から肛門管中部は移行帯あるいは痔帯(痔輪)ともいわれる。)

Anal valves(肛門弁)Valvulae anales こうもんべんBall's valves Feneis: 126 27

[A05_7_05_005] →(肛門洞の下端に小さな半月条の粘膜横ヒダがある。この横ヒダを肛門弁という。)

Anal pecten(肛門櫛)Pecten analis こうもんしつStroun's pecten Feneis: 126 29

[A05_7_05_010] →(肛門櫛は肛門弁と肛門皮膚線との間の淡色の帯。この部は結合組織に富む縦走筋によって下層と強く連なっている。)

Pectinate line of anal canal(櫛状線;歯状線(肛門管の))Linea pectinata canalis analis しつじょうせん;しじょうせん(こうもんかんの) Feneis:

[A05_7_05_009] →(肛門管の櫛状線は直腸の単層円柱上皮が肛門管の縦走上皮に変わるところの境界線で、肛門柱底の肛門弁のある位置にあたる。)

Anocutaneous line(肛門皮膚線;肛皮線)Linea anocutanea こうもんひふせん;こうひせん Feneis: 126 30

[A05_7_05_008] →(ヒルトンの白線Hilton's white lineとも言われる。肛門皮膚線は肛門櫛の下境界で、内肛門括約筋の下縁の高さにある。)

Internal anal sphincter muscle; Internal sphincter of anus(内肛門括約筋)Musculus sphincter ani internus ないこうもんかつやくきん Feneis: 126 20

[A05_7_05_011] →(高さ1~2 cmの、輪走する強い肛門輪筋。(Feneis))

Intersphincteric groove(括約筋間溝)Sulcus intersphinctericus analis かつやくきんかんこう [A05_7_05_012]

External anal sphincter muscle(外肛門括約筋)Musculus sphincter ani externus がいこうもんかつやくきん Feneis: 126 31, 174 14

[A04_5_04_012] →(外肛門括約筋は内肛門括約筋の衿のように張り付いている。外口門括約筋のほぼ矢状面に位置する筋束が腸間終端を両側から閉鎖する。この筋束は後方では尾骨から張る靱帯(肛門尾骨靱帯)に付着し、前方では会陰中心に付いている。)

Deep part of external anal sphincter(深部(外肛門括約筋の))Pars profunda Musculussphincteris ani externus しんぶ(がいこうもんかつやくきんの) Feneis: 174 17

[A04_5_04_015] →(外肛門括約筋の深部は腱中心から起こり三角布状に肛門管を後方から包み上方で肛門挙筋と結合している。筋性のワナ、高径3-4cm、会陰体から会陰体まで肛門管を取り巻いており上縁で肛門挙筋と繋がる。)

Superficial part of external anal sphincter(浅部(外肛門括約筋の))Pars superficialis Musculussphincteris ani externus せんぶ(がいこうもんかつやくきんの) Feneis: 174 16

[A04_5_04_014] →(外肛門括約筋の浅部は腱中心と肛門尾骨靱帯の間に張る線維。)

Subcutaneous part of external anal sphincter(皮下部(外肛門括約筋の))Pars subcutanea Musculussphincteris ani externus ひかぶ(がいこうもんかつやくきんの) Feneis: 174 15

[A04_5_04_013] →(外肛門括約筋の皮下部は表在性の、肛門の前後に真皮に放射している部分。)

Anus(肛門)Anus こうもん Feneis: 126 32

[A05_7_05_013] →(肛門は消化下管の末端が外部へ開く部分である。外肛門括約筋の表在部と皮膚部に囲まれた肛門管の開口。 実質的な機能を持つ肛門は、むしろ肛門管と考えてよい。)

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