目次骨格系関節系筋肉系消化器系呼吸器系胸郭泌尿器系生殖器系腹腔と骨盤腔内分泌腺心脈管系リンパ系神経系感覚器外皮

Myology(筋学)Myologia きんがく

→(筋学は筋系、すなわち筋とその補助機関からなる系についてのべる系統解剖学の一部門である。)

Muscles; Muscular system(筋;筋系)Musculi; Systema musculare きんけい;きん Feneis: 074 00, 401 01

[A04_0_00_000] →(筋は平滑筋・心筋・骨格筋の3種類に分けられるが、骨格筋がつくる器官としての筋をまとめて筋系とする。ここで扱う筋は、組織学的には横紋筋であって機能的には随意筋(Muscles volontaires)であり、主として骨格に付着してこれを動かすので骨格筋(広義)ともよばれる。人体には、約650個の筋があって、全部で体重の約40~50%を占める。筋はその能動的な収縮によって、付着する骨格、皮膚、内臓その他を動かして、広い意味の運動を行う。たとえば体幹、体肢の粗大な運動、手指の微細な運動、書字;体の姿勢の保持;発声、発語、表情表現;呼吸、咀嚼、嚥下、排便;眼球の運動、鼓膜の緊張、弛緩などすべて横紋筋の働きである。筋は生体の運動と営む器官で、能動的に収縮を行う筋細胞(筋線維)を主体とする組織からなる。脊椎動物の筋には意識的な運動にあずかる随意筋と、自律神経系の支配を受けて反射的・無意識的に働く不随筋とがある。後者のうち平滑筋は内臓壁や血管壁などの構成要素となり、伸筋は心臓壁の主部をつくって、それらの運動にあずかる。随意筋は骨格筋(広義)または横紋筋(狭義)とよばれるもので、骨格組織からなる。全身の骨格筋は筋系を構成する。多くは骨に着いて体や体部の運動に働くが(狭義の骨格筋)、皮膚に着くもの(皮筋)、関節包につくもの(関節筋)、内臓壁にあるもの(管を閉鎖するものに働く筋を括約筋という)もある。骨格筋の付着のうち固定している方を起始、筋の収縮によって働く方を停止という。筋の起始と停止は腱や腱膜を介することと筋束が骨膜に直接着くことがある。筋の起始部を筋頭、停止部を筋尾、中部を筋腹という(多くは細長い筋についていう)。2・3・4頭筋は筋頭を多く持つ筋であり、逆に停止が分かれている筋もある。また2個の筋腹が中間腱で連結している筋を2腹筋といい、腱画は短い中間腱が幅の広い筋腹を線状に横切るものである。骨格筋の形は、紡錘形(紡錘状筋)、三角筋、矩形、リボン状、板状、膜状などさまざまなであり、筋束が輪状に走る輪筋、付着部が鋸歯状をなす鋸筋もある。筋の中心に腱があって筋束がこれに羽状に集まる羽状筋や片側に腱のある半羽状筋、また起始と停止の腱膜が筋の両面に広く発達している筋では、筋束が見かけの筋長より著しく短い。(1)筋の補助装置:筋膜、筋滑車、筋支帯、滑液包、腱鞘、種子骨などがある。(2)血管と神経:血管はよく発達し、筋線維間に豊富な毛細管の網をつくる。筋神経は運動繊維(一般の筋線維にいたる太いα運動線維と錐内筋線維支配するγ運動線維)、知覚線維(主に筋紡錘と腱紡錘へ)および自律線維(主に血管壁へ)を含む。なお筋の支配神経は系統・個体発生を通じて変わることがなく、筋の比較同定の指標とされる。(3)骨格筋の機能:能動的な収縮によって骨などを動かして体や体部の運動を営む。書写、発声、発語、呼吸、嚥下などを含めて随意的な動作・行動はすべて骨格筋の働きである。なお、赤筋は持続的な姿勢の保持に働き疲労しがたく、白筋はふつうの速い運動にあずかる。筋系とは全身の骨格筋からなる器官系をいう。4足動物の筋系は系統・個体発生と趾背神経から以下の筋群に分けられる。①筋節由来の体幹筋:本来分節状の筋であるが(とくに各椎骨・肋骨の間)、癒合して多節性となったものが多い。脊髄神経支配で、その前枝と後枝をそれぞれ受ける体幹腹側筋と体幹背側筋(固有背筋)とに分けられる。②眼筋:3個の原基から生じ、それぞれ動眼・滑車・外転神経の支配を受ける筋に分化する。この原基を頭部の筋節とし、眼筋を体幹筋の最頭側部と考える人が多い。また、舌筋は脊髄神経の前枝に相当する舌下神経を受け、体幹腹側筋にあたる(背側筋にあたる部分は消失)。③体肢筋:魚類の胸びれと腹びれの近位相当する固有体肢筋と、魚類の体幹腹側筋が停止を体肢とくに体肢帯に移したものとがあり、前者ももともと体幹腹側筋から由来したと考えられるが、個体発生では体肢原基の間葉から生じ筋節材料の寄与はあきらかではない。体肢原基の腹側と背側とに生ずる広義の屈筋群と深筋群とはそれぞれ神経叢(上肢筋は頚・腕神経叢、下肢筋は腰・仙骨神経叢)の腹側層と背側層とから神経を受ける。④鰓弓筋:以上とは全く異なって、鰓弓の骨格を動かす筋ないし鰓裂の括約筋から分化したもので、下顎・顔面・迷走・副神経の諸筋である。)

General terms(一般用語(筋系;筋の))Nomina generalis いっぱんようご(きんけい;きんの) [A04_0_00_000_2]

Muscles(筋)Musculi きん [A04_0_00_000_3]

Head; Head of muscle(筋頭)Caput きんとう Feneis: 401 02

[A04_0_00_001] →(骨格筋の起始部を筋頭といい、これが2つある筋は二頭筋biceps muscle(例:上腕二頭筋・大腿二頭筋)、3つなら三頭筋triceps muscle(例:上腕三頭筋)、4つなら四頭筋quadriceps muscle(例:大腿四頭筋)といわれる。また、薄い筋では起始が区別されるもの(例:大胸筋の鎖骨部・胸骨部・肋骨部)や、鋸(のこぎり)の刃のような形のを示す物(例:前鋸筋)もある。(イラスト解剖学))

Belly; Belly of muscle(筋腹)Venter きんふく Feneis: 401 03

[A04_0_00_002] →(筋の中部を筋腹という。筋の起始と停止の間の部分。ふつうこの部が最も太いため筋腹とよばれる。肩甲舌骨筋や顎二腹筋にように縦に並ぶ形の筋は2つの筋腹をもつため二腹筋digastric muscleとよばれ、筋腹が3つ以上ある筋は多腹筋polygastric muscle 例:腹直筋)とよばれる。筋腹と筋腹の間の部を中間腱という。(イラスト解剖学))

Muscle tail; tail of muscle(筋尾)Cauda musculi きんび

[A04_0_00_002_1] →(筋の停止部を筋尾といい、その動きが筋の作用を決める。指の屈曲に働く浅指屈筋や深指屈筋、伸展に働く総指伸筋、下肢の内転に働く内転筋群、肩甲骨を挙上する肩甲拳筋、肛門を絞る肛門括約筋などの名前は、いずれも筋の作用を表している。(イラスト解剖学))

Attachment(付着)Insertio ふちゃく

[A04_0_00_003] →(学名のinsertioはorigo(起始)の反対語としてではなく、起始と停止を含んだattachment付着として採用している。)

Fixed end(起始;固定端)Punctum fixum きし;こていたん

[A04_0_00_004] →(筋に付着する筋の両端の内で、運動時に固定しているか、あるいは動くとが少ない端を起始という。しかし、実際には、運動による移動は相対的で、動く程度によって起始と停止を区別できなことも多い。したがってえ、一般に体肢の筋では体幹に近い方の端、すなわち近位端を起始としている。また、体幹の筋で背腹方向に走る筋では脊柱に近い方の端を起始とし、頭尾方向に走る筋では、骨盤に近い方の端を起始としている。)

Mobile end(停止;可動端)Punctum mobile ていし;かどうたん

[A04_0_00_005] →(筋に付着する筋の両端のうちで、運動時に大きく動く端を停止という。しかし、実際には、運動による移動は相対的で、動く程度によって起始と停止を区別できないことも多い。したがって、一般に体肢の筋では体幹に遠いほうの端、すなわち遠位端を停止としている。また、体幹の筋で背腹方向に走る筋では脊柱に遠い方の端を停止とし、頭尾方向に走る筋では、骨盤に遠い方の端を停止としている。)

Epimysium(筋上膜;筋外膜;筋肉鞘)Epimysium きんじょうまく;きんがいまく;きんにくしょう

[A04_0_00_041] →(筋全体のまわりにある線維性筋被膜。個々の骨格筋線維のあいだにまで入り込んでいる疎性結合組織は筋表面における線維性筋被膜(筋上膜)への移行を示す。)

Perimysium(筋周膜)Perimysium きんしゅうまく Feneis: 401 24

[A04_0_00_042] →(筋周膜は骨格筋線維を含む結合組織で筋内膜を除く。)

Endomysium(筋内膜)Endomysium きんないまく Feneis: 401 25

[A04_0_00_043] →(筋内膜は筋線維を包む薄い結合組織の鞘。)

Fusiform muscle(紡錘状筋)Musculus fusiformis ぼうすいじょうきん Feneis: 401 05

[A04_0_00_006] →(紡錘状筋は中部が太く両端が細い。紡錘状筋は長い筋線維からなり、それらの筋線維は効率は良いが、力の弱い運動しか行うことしかできない。紡錘状筋では腱は比較的短い。)

Flat muscle(扁平筋;板状筋)Musculus planus へんぺいきん

[A04_0_00_007] →(筋の形からまた扁平の腱、すなわち腱膜をもつ扁平筋は、三角形をした三角形筋と四角形で扁平な方形筋に区別される。)

Straight muscle(直筋)Musculus rectus ちょくきん

[A04_0_00_008] →(直筋は水平・垂直そのた真っ直ぐに張っている筋をいう。例えば外眼筋の直筋や後頭筋の直筋など。)

Triangular muscle; Flat triangular muscle(三角形筋;三角筋)Musculus triangularis さんかくけいきん;さんかくきん Feneis: 401 07

[A04_0_00_009] →(三角形筋は扁平筋のうち三角形をしたもの。)

Quadrate muscle(方形筋)Musculus quadratus ほうけいきん Feneis: 401 06

[A04_0_00_010] →(方形筋は扁平筋のうち四角形したもの。)

Two-bellied muscle(二腹筋)Musculus biventer にふくきん

[A04_0_00_011] →(二腹筋は中間腱によって2腹に分かれている筋をいう。)

Two-heded muscle(二頭筋)Musculus biceps にとうきん

[A04_0_00_012] →(二頭筋は2個の筋頭をもつもの。たとえば上腕二頭筋。)

Three-headed muscle(三頭筋)Musculus triceps さんとうきん

[A04_0_00_013] →(三頭筋は3個の筋頭をもつもの。たとえば上腕三頭筋。)

Four-headed muscle(四頭筋)Musculus quadriceps しとうきん

[A04_0_00_014] →(四頭筋は4個の筋頭をもつもの。たとえば大腿四頭筋。)

Semipennate muscle; Unipennate muscle(半羽状筋;単羽状筋)Musculus semipennatus; Musculus unipennatus はんうじょうきん;たんうじょうきん Feneis: 401 08

[A04_0_00_015] →(半羽状筋は筋の一側に腱があってこれに筋束が平行して停止するものをいう。)

Pennate muscle; Bipennate muscle(羽状筋)Musculus pennatus; Musculus bipennatus うじょうきん Feneis: 401 09

[A04_0_00_016] →(羽状筋は筋の腱中心があって、そこに向かって両方から筋束が平行して停止するものをいう。筋線維が筋の一側だけにある場合は半羽状筋といい、多くの羽状筋が集まって1つの筋を作る場合を多羽状筋という。羽状筋は紡錘状筋にくらべると多数の筋線維をもつので、強力な運動ができる。しかし、筋の線維は斜走するので、その収縮による筋としての運動の距離は比較的に小さい。したがって、羽状筋は短縮は小さくても、強力な運動をするのに適する筋である。たとえば、三角筋・大臀筋などである。)

Multipennate muscle(多羽状筋)Musculus multipennatus たうじょうきん Feneis: 401 10

[A04_0_00_017] →(多羽状筋は幾重にも羽毛をもつ筋は同様に多羽状筋といわれる。)

Orbicular muscle(輪筋)Musculus orbicularis りんきん Feneis: 401 12

[A04_0_00_018] →(輪筋は筋線維の走行が輪状をなしその一部で骨に付着するものをいう。)

Cutaneous muscle(皮筋)Musculus cutaneus ひきん Feneis: 401 16

[A04_0_00_019] →(皮筋は骨(時に筋膜、腱など)より起こって皮膚(時に軟骨)に着く。皮筋は顔面と頚部に顕著。)

Articular muscle(関節筋)Musculus articularis かんせつきん

[A04_0_00_019_1] →(骨格筋のうち関節包につくものを関節筋という。)

Skeletal muscle(骨格筋)Musculus skeleti こっかくきん

[A04_0_00_019_2] →(骨に付着することが多いので骨格筋とよばれ、医師によって運動可能なことから随意筋に含まれる。細胞質の大半は筋フィラメントで占められ、核は辺縁に押しやられて位置する。通常、いくつかの筋細胞が融合して合胞体をつくっている。なお、骨格筋は身体の壁にあたる体性部分に属し、体性神経の支配を受ける。 ふつう身体の運動に働く横紋筋を骨格筋skeletal muscleという。厳密には骨格に付着する筋を指し、顔面筋(表情筋)のように皮膚に付く皮筋cutaneous musclesや関節包につく関節筋joint musclesと区別する。人体における広い意味の骨格筋は約300種類650個に達する。(イラスト解剖学))

Abductor muscle(外転筋)Musculus abductor がいてんきん

[A04_0_00_020] →(筋の運動は関節の運動軸の種別によって命名されている。体軸または体肢の軸に対して遠ざける運動筋を外転筋という。)

Adductor muscle(内転筋)Musculus adductor ないてんきん

[A04_0_00_021] →(体軸または体肢の軸に対して近づける運動筋を内転筋という。)

Rotator muscle(回旋筋)Musculus rotator かいせんきん

[A04_0_00_022] →(回旋筋は体肢やその骨の長軸を軸とする運動筋を回旋筋という。)

Flexor muscle(屈筋)Musculus flexor くっきん

[A04_0_00_023] →(屈筋とは関節を屈する運動筋である。)

Extensor muscle(伸筋)Musculus extensor しんきん

[A04_0_00_024] →(伸筋は関節を伸ばす運動筋である。)

Pronator muscle(回内筋)Musculus pronator かいないきん

[A04_0_00_025] →(回旋は内旋と外旋を区別する。回旋筋のうち前腕ではとくに内旋させる運動筋を回内筋という。回内は手のひらをふせるように内方に回す運動である。)

Supinator muscle(回外筋)Musculus supinator かいがいきん

[A04_0_00_026] →(回旋は内旋と外旋を区別する。回旋筋のうち前腕ではとくに外旋させる運動筋を回外筋という。回外は手のひらをふせるように外方に回す運動である。)

Opponens muscle(対立筋)Musculus opponens たいりつきん

[A04_0_00_027] →(対立筋はたとえば母指と小指を合わせる運動筋である)

Sphincter muscle(括約筋)Musculus sphincter かつやくきん Feneis: 401 11

[A04_0_00_028] →(括約筋は開口部を閉じる筋である。)

Dilator muscle(散大筋)Musculus dilatator さんだいきん Feneis: 401 11a

[A04_0_00_029] →(散大筋は器官の管腔などにある開口部を開く筋である。)

Compartment(区画(筋の))Compartimentum くかく(きんの)

[A04_0_00_030] →(筋の区画は大きな部屋がさらに幾つか仕切られている場合の個々の部屋をいう。例えば上肢の区画は深いところで骨と筋間中隔、浅いところでは筋膜で区切られていて隣接する区画とは遮断されており感染や病状の進行がその区画に限定されるようになっている。区画の中の筋は同じような機能をもち同じような神経支配を受けている。)

Fascia(筋膜)Fascia きんまく Feneis: 401 26

[A04_0_00_031] →(人体における筋膜は、皮下組織(浅筋膜)と筋の筋膜(深筋膜)の2種に区別する。これらはいずれも皮膚と骨・筋との中間の位置に存在している。皮下組織は疎性結合組織と脂肪組織が入り交じったものであり、皮膚と筋の筋膜とをつなぐ役割を果たす。頭部、後頸部、手掌、足底などでは浅筋膜内に多量の膠原線維が例外的に含まれており、皮膚と皮下組織との結合を強めている。また、眼瞼や耳介、陰茎と陰嚢、陰核などでは皮下組織に脂肪組織が伴っていない。筋の筋膜は筋、その他の深部構造物を被う丈夫な、膜状の結合組織である。頚部では筋の筋膜が明瞭な層構造を示しており、そのような層構造が感染症の際の病原体の通過路を決定するというような重要な役割を演じる。胸部と腹部では筋の筋膜が、筋や腱の表面を被う薄膜となっているにすぎない。四肢においては筋の筋膜が筋、その他の構造物を包む丈夫な被膜となり、後者から伸びる線維性結合組織の隔膜(中隔)が四肢の内部を大きく区画する。関節部位では筋の筋膜はかなりの肥厚を示し、支帯とよばれる帯状構造をつくる。このような支帯は、その直下を走る腱を正しい位置に保持したり、腱の動きのための一種の滑車面を提供したりする役割を果たす。Fasciaというラテン語の意味は、ドイツ語のbundeすなわち物を包んだり結び合わせたりする帯のことである。解剖学名としてのfasciaは、筋肉やその他の器官を包む結合組織性の線維層をいう。一般には筋を包んでいることが多いけれども、fascia parotidea耳下腺筋膜、fascia penis陰茎筋膜、fascia clitoridis陰核筋膜、fascia prostatea前立腺筋膜のように必ずしも筋と関連のない場合もあるので、「筋膜」という役名は適当ではない。なお、米英系の解剖学では皮下の疎性結合組織をsuperficial fasciaと呼び、日本でいう筋膜のことをdeep fasciaと呼ぶ慣習がある。)

Superficial fascia(浅筋膜)Fascia superficialis せんきんまく Feneis: 401 26a [A04_0_00_031_1]

Deep fascia(深筋膜)Fascia profunda しんきんまく Feneis: 401 26b

[A04_0_00_031_2] →(深筋膜の定義は国際的に多義で使用がすすめられていない。TAでは深筋膜を以下のように使用するように推奨している。比較的薄い線維性の膜で、脂肪を含まず筋肉の表面を直接おおってここの筋を包んだり筋群を包んだりしたものをいう。(=muscular fascia) 結合組織線維性の薄い膜、各種臓器や腺をいくつも包み込んだり分離したりしている膜。(=visceral fascia))

Fascia of head and neck(頭と頚の筋膜)Fascia capitis et colli あたまとくびのきんまく

[A04_0_00_032] →(頭部の筋は浅頭筋(表情筋)と深頭筋(咀嚼筋)とに分けられるが、さらに下層に口腔の筋層、すなわち頬筋と上咽頭収縮筋があり、結局3層と考えることができる。しかし、この3層のうち表情筋は皮筋であるので、明確な筋膜をもたないし、むしろ筋膜の上を走る。したがって、頭部の筋膜は咀嚼筋の筋膜と口腔・咽頭の筋膜の2葉と考えられる。咀嚼筋の筋膜は側頭筋膜と咬筋筋膜である。側頭筋膜は側頭筋をおおい、上方では上側頭線につき、下方では浅深2葉に分かれて、浅葉は頬骨弓外側面、深葉は同内側面につく。咬筋筋膜は咬筋をおおい、後方では耳下腺を包んで耳下腺筋膜となり、乳様突起と耳介に結合する。下方は下顎骨縁について頚筋膜浅葉につづくほか、下顎骨の内側に反転して翼突筋の内面をおおって蝶形骨翼状突起に達する。口腔・咽頭筋の筋膜は、前方では頬筋筋膜として頬筋をおおい、後方では翼突下顎縫線を経て上咽頭収縮筋の筋膜につづく。)

Fascia of trunk(体幹の筋膜)Fascia trunci たいかんのきんまく [A04_0_00_033]

Parietal fascia(壁側筋膜)Fascia parietalis へきそくきんまく

[A04_0_00_034] →(壁側筋膜は漿膜(心膜、腹膜、胸膜及び精巣鞘膜)の壁側葉の外方に位置し、体腔壁を裏打ちしている筋膜Fasciaに用いる。)

Extraserosal fascia(漿膜外筋膜)Fascia extraserosalis しょうまくがいきんまく

[A04_0_00_035] →(漿膜外筋膜Fascia extraserosalisはFascia parietalisより内方に、そしてFascia visceralisより外方に位置するその他のFasciaに用いる。)

Visceral fascia(臓側筋膜;内臓筋膜)Fascia visceralis ぞうそくきんまく;ないぞうきんまく

[A04_0_00_036] →(内臓筋膜は、結合組織線維性の薄い膜で、各種臓器や腺をいくつも包み込んだり分離したりしている膜。浅筋膜、深筋膜は国際的に多義で使用が薦められないので、浅筋膜の代わりに皮下組織subcutaneous tissueを深筋膜の代わりに筋の筋膜muscular fasciaおよび壁側筋膜visceal fasciaの使用を薦めている。)

Fascia of limbs(体肢の筋膜;四肢の筋膜)Fasciae membrorum たいしのきんまく;ししのきんまく [A04_0_00_037]

Fascia of muscles(筋の筋膜)Fasciae musculorum きんのきんまく

[A04_0_00_038] →(筋の筋膜は比較的薄い線維性の膜で、脂肪を含まず筋肉の表面を直接おおって個々の筋を包んだり筋群を包んだりしているものをいう。浅筋膜、深筋膜は国際的に多義で使用が薦められないので、浅筋膜の代わりに皮下組織subcutaneous tissueを深筋膜の代わりに筋の筋膜muscular fasciaおよび壁側筋膜visceal fasciaの使用を薦めている。)

Investing layer(被覆筋膜)Fascia investiens ひふくきんまく

[A04_0_00_039] →(被覆筋膜は特定の筋群を包み込む筋膜。)

Fascia of individual muscle; Muscle sheath(筋の固有筋膜;器官固有筋の筋膜)Fasciae propria musculi きんのこゆうきんまく;きかんこゆうきんのきんまく [A04_0_00_040]

Tendon(腱)Tendo けん Feneis: 401 17

[A04_0_00_044] →(筋の末端は筋線維が次第に結合組織線維に変わって紐あるいは帯状の構造。起始・停止は、しばしば種々の長さの伸縮性のない線維性の紐あるいは帯で、筋肉の一部を構成し筋腹部分を骨その他の付着対象物に結合している。腱は著しく長いことがある。筋の長さは筋腹だけでなく腱の部分も含めて測定する。腱はきわめて緻密に平行にそろったコラーゲン線維の束からなり細長い線維芽細胞(腱細胞)が縦列をつくって並んでいて、基質はきわめて少ない。)

Peritendineum(腱周膜)Peritendineum けんしゅうまく [A04_0_00_044_1]

Intermediate tendon(中間腱)Tendo intermedius ちゅうかんけん Feneis: 401 27a

[A04_0_00_045] →(二腹筋では二つの筋腹の間に中間腱がある。)

Tendinous intersection(腱画)Intersectio tendinea けんかく Feneis: 401 27

[A04_0_00_046] →(短い中間腱が筋腹を横切って線状を成すときはこれを腱画という。)

Aponeurosis(腱膜)Aponeurosis けんまく Feneis: 401 23

[A04_0_00_047] →(腱は膜状をなすことがある。これを腱膜と呼ぶ。)

Tendinous arch(腱弓)Arcus tendineus けんきゅう Feneis: 401 28

[A04_0_00_048] →(筋の付着部に骨から骨に張るアーチ状の腱があって筋束がこれに付着し、血管・神経などがその下を通るときは、これを腱弓という。)

Muscular trochlea(筋滑車)Trochlea muscularis きんかっしゃ Feneis: 401 29

[A04_0_00_049] →(筋滑車は腱を支持する骨の隆起または靱帯であって、腱の走行を変える作用をする。腱には向く面はしばしば軟骨となっている。)

Synovial bursa(滑液包;滑液嚢)Bursa synovialis かつえきほう;かつえきのう Feneis: 401 30

[A03_0_00_039] →(滑液包は筋や腱が骨、軟骨または靱帯に接して通過するとき、その間にあって摩擦を軽減する小嚢であって、薄い結合組織性の膜(滑膜)に包まれ、中には関節と同じく無色透明で、ぬるぬるした糸を引くような滑液をいれている。起始・停止の付近とくに関節の近くに多い。付近の関節腔と交通することも多い。滑液を分泌する滑膜内面の表層細胞は不規則な立方ないし円柱状で、細胞間には多少の間隙がある。滑液包には筋か滑液包、腱下滑液包があり、また筋膜下滑液包は筋膜と筋または腱との間にあり、皮下滑液包は骨や軟骨が直接皮下に接する部分にある。滑液包には出現、発達の程度に個人差の著しい物がはなはだ多い。とくに皮下方には恒存のものがむしろ少ない。)

Synovial sheath(滑液鞘)Vagina synovialis かつえきしょう

[A03_0_00_040] →(腱鞘は体肢などの長い腱にみられる。内層は腱の滑液鞘とよばれ、もとももと滑液包が長く腱をとりまいたものであって、筋支帯などの下を腱が大きく移動する部分に発達した物である。腱をとりまいた滑液包がたがいに接する部分からは腱を養う血管と神経が入る。これを腱間膜という。)

最終更新日: 16/07/20

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