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Juncturae; Systema articulare(連結、関節系)Joints れんけつ、かんせつけい [A03.0.00.000] Feneis: 054 00, 400 11

 これまでの解剖学用語では連結、関節系(Juncturae; Systema articulare)に相当するのものを靱帯学(Syndesmolgia)、関節学(Arthrologia)とよんでいる。骨は結合織の特殊なものであって、線維性結合組織(またはその原型の間葉組織)から、多くの軟骨性の原基を経て、一部は直接に、形成される。いずれにせよ、完成された骨格では、その表面を骨格膜ともいうべき膜状のつよい線維性結合が連続的に被っていて、骨の表面では骨膜、軟骨の表面では軟骨膜、関節の表面では関節包をつくる。骨の連結部では、骨の間にも結合組織性の構造がいろいろな形で残りうる。すなわち、強い結合組織であったり、軟骨であったりする。また骨間組織が消失して関節腔となることもある。このような介在組織の種類と状態によって、骨の連結の可動性は大きく作用され、以前はそれに従って骨の連結を不動関節(結合)Synarthrosis(軟骨結合、靱帯結合、縫合を含む)と可動関節(分離連結)Diarthrosis(関節腔を有する関節)に訳、線維軟骨結合を両者の中間的なものと考えて半関節Amphiarthrosisと呼んでいた。

Nomina generalia(連結、関節系の一般用語)General terms れんけつ、かんせつけいのいっぱんようご

Junctura(連結)Joint れんけつ [A03.0.00.001]

 Junctura(連結、連結部)にはArticulatio(関節)という意味も含まれる。しかし、Articulatioは関節のみを意味する。

Juncturae ossium(骨の連結)Bony joints こつのれんけつ [A03.0.00.002]

 骨の連結には不動性結合と可動性結合の二つの様式がある。各々の骨の間の各種の連結を総称する。可動性の程度による分類では英仏では古くから不動結合、半関節、可動結合に分けていた。これらはそれぞれ線維性、軟骨性、滑膜性の連結にほぼあたるが、半関節は線維軟骨結合だけを含み軟骨結合は不動結合に含ませることが多い。一方、独では線維性と軟骨性の連結を合わせて不動結合とよび、これと可動関節の2種に分けることが現在でも多く、半関節は仙腸関節のように可動性のごく小さい関節をとくに区別するときに用いる。

Synarthrosis(不動結合、関節癒合)Synarthrosis ふどうけつごう、かんせつゆごう [A03.0.00.003]

 二つの骨がひとつづきに連結し、両者の間に空気がないもので、骨と骨が硬く結びついているもので、両者の間に自由な隙間がなく、従って可動性が全く無いか或いは僅かに動かし得る程度のものである。これをさらに①線維性の連結、②軟骨性の連結、骨結合に分ける。

Junctura fibrosa(線維性の連結)Fibrous joint せんいせいのれんけつ [A03.0.00.004] Feneis: 400 12

 線維性の連結は結合組織を介して骨と骨が連続性に連結されるもので可動性は小さい。靱帯結合は相対する骨綿が骨間靱帯で連結される(脛腓靱帯結合)。縫合は骨と骨の間のきわめて狭い間隙を骨から骨へ走る短い結合組織線維で結合するもので頭蓋骨によくみられ、可動性はほとんどない。縫合に、両骨縁が鋸歯状に組み合う鋸状縫合、両骨縁が直線状の直線縫合、両骨縁が薄くなって重なり合う鱗状結合などを区別する。夾合は骨板の鋭い縁が他の骨の裂け目にはまり込む連結で、釘植は歯根が顎骨の歯槽にはまり込む連結をいう。

Syndesmosis(靱帯結合)Syndesmosis/es じんたいけつごう [A03.0.00.005] Feneis: 400 13

 靱帯結合は2骨間の線維性結合織が骨間膜あるいは靱帯を形成しているような線維性の骨の連結。結合組織の量はまちまちであるが、総じて縫合や丁植よりおおい。骨が近接する場合(例:脛腓靱帯結合)、骨の対向面を結ぶ強い骨間靱帯となる。また、骨と骨の間隔が広い場合、索状(例:茎突舌骨靱帯)や帯状(例:棘間靱帯、項靱帯)の靱帯をつくる。

Gomphosis(釘植)Gomphosis ていしょく [A03.0.00.006] Feneis: 112 11

 円錐状の歯根が歯槽にはまり込むもので、両者の間には微量の結合組織線維があって、両者を結合させている。

Membrana interossea(骨間膜)Interosseous membrane こつかんまく [A03.0.00.007]

 骨間膜は前腕の橈骨と尺骨、下腿の脛骨と腓骨をそれぞれ薄いが丈夫な結合組織性の膜である。

Sutura(縫合)Suture ほうごう [A03.0.00.008] Feneis: 400 14

 対向する骨と骨との狭い間隙をごく少量の線維性結合組織が満たすもので、頭蓋の大部分の骨は縫合により連結する。

Sutura plana(直線縫合)Plane suture ちょくせんほうごう [A03.0.00.009] Feneis: 400 17

 隣接する骨面の単純な付着によって生じる縫合の1種であって、骨辺緑の組合せはない。直線状の縫合線をつくる。(横および正中口蓋縫合、鼻骨間縫合など)

Sutura squamosa(鱗状縫合)Squamous suture りんじょうほうごう [A03.0.00.010] Feneis: 400 16

 鱗状縫合は縫合の形態上の分類に使われるほか、側頭骨鱗部と頭頂骨との縫合をさすことがある。広い骨の傾斜面が重積することによって生じる一種の縫合で、連結する両方の骨縁が片刃のようにそり落とされた形をしている。(側頭骨鱗部と頭頂骨との縫合)。

Sutura limbosa(辺縁縫合)Limbous suture へんえんほうごう [A03.0.00.011]

 骨の斜面をつなぎあわせる一種の縫合。僅かに重なる縫合。

Sutura serrata(鋸状縫合)Serrate suture きょじょうほうごう [A03.0.00.012] Feneis: 400 15

 骨の連結縁が互いにかみ合って複雑に屈折した縫合線をつくる。(冠状縫合、矢状縫合、ラムダ状縫合など)

Sutura denticulata(小歯状縫合)Denticulate suture しょうしじょうほうごう [A03.0.00.013]
Schindylesis(夾合連結、夾結合、夾合)Schindylesis きょうごうれんけつ、きょうけつごう、きょうごう [A03.0.00.014] Feneis: 400 18

 篩骨垂直板と鋤骨との連結のように一方の骨の薄板が他方に観入する関節の1型。実際には、鋤骨翼が蝶形骨吻をはさむようにする結合(蝶鋤骨縫合)に限られる。

Junctura cartilaginea(軟骨性の連結)Cartilaginous joint なんこつせいのれんけつ [A03.0.00.015]

 骨が軟骨質を介して骨と骨が連続性に結合されているものであるが、軟骨性の連結は2種を区別する。軟骨結合は両骨が硝子軟骨synchondrosisでみたされるもので、多くは発育中にみられ、生体に残るものもしだいに骨化する。[線維軟骨]結合symphysis(例:恥骨結合)は線維軟骨を主体とするが、骨面に近い層は硝子軟骨からなる。骨軟骨結合、骨相互間の結合の間に介在する軟骨による関節の形で軟骨結合と癒合結合がある。軟骨性の結合と線維性の結合は滑膜性の連結にくらべると運動性はるかに小さいが、まったく不動というわけではない。その可動性は組織の種類によっても異なり、その量によっても異なる。概して、靱帯結合は軟骨結合より働きやすいが、運動には靱帯の牽引やねじれを伴うので、靱帯が特に弾性線維にとむ場合などを除けばその運動は大きく制限される。

Synchondrosis(軟骨結合)Synchondrosis なんこつけつごう [A03.0.00.016] Feneis: 400 20

 骨間をみたす組織が硝子軟骨であるものをいい、その表面は骨膜につづく軟骨膜でおおわれる。(例:頭蓋底の軟骨結合)

Symphysis(線維軟骨結合、結合)Symphysis せんいなんこつけつごう、けつごう [A03.0.00.017] Feneis: 400 21

 この結合は線維軟骨と結合組織によってつくられる連結である。骨間をみたす組織が線維軟骨であるもので、向かいあう骨の表面は硝子軟骨の薄い層で被われる。線維軟骨は骨で置換されない。(例:恥骨結合、椎体間結合)。

Cartilago epiphysialis(骨端軟骨)Epiphysial cartilage こつたんなんこつ [A03.0.00.018]

 長骨の長さの成長は、骨自身が成長するのではなく、土台になる軟骨が成長し、これが、骨に置きかわることによって行われる。軟骨の成長は骨端と骨幹の境の増殖帯でおこる。すなわち、この部分で軟骨細胞が長軸方向に活発に分裂することによって軟骨の長さが伸びる。一方、骨幹の側で軟骨は変性、除去され、骨組織で置換されていく。同様の骨による置換は骨端部でも後になっておこる。こうして骨端と骨幹の境に骨端軟骨と呼ばれる軟骨の層が形成される。軟骨の成長よりも、破壊の方が早く進めば、骨端軟骨は薄くなる。骨端軟骨が完全に置き換えられると(骨端閉鎖)、骨の成長は止まる。X線像で骨端線として見えるのは、閉鎖した骨端軟骨である。長骨における骨端閉鎖はだいたい12歳から24歳ぐらいの間におこる。

Junctura ossea; Synostosis(骨連結、骨結合)Bony union こつれんけつ、こつけつごう [A03.0.00.019]

 骨が骨質によって結合されているもので、寛骨のように腸骨、坐骨、恥骨が集まってあたかも1個の骨のようなものがある(例:寛骨・仙骨・尾骨)。仙骨も仙椎が骨結合により一つの骨のようになる。骨結合は通常幼児には軟骨結合であって、これが後に骨化したものである。だから広く考えると、骨端線なども骨幹と骨端とを結ぶ骨結合にあずかっているといえる。いわゆる関節も同じように結合することがあるが、このときは骨結合とはいわないで、関節硬化または強直Ankylosisという。したがって強直はかつて機能していた関節であることが前提条件となる。ふつうの強直は病的過程をもとにして生じてくる。

Junctura synovialis; Articulatio; Diarthrosis(滑膜性の連結、狭義の関節、関節、可動関節)Synovial joints かつえきせいのれんけつ、きょうぎのかんせつ、かんせつ、かどうかんせつ [A03.0.00.020] Feneis: 400 22

 滑膜性の連結(狭義の関節)は両骨間に滑液を満たす関節腔のある連結で、一般に可動性が大きい。いわゆる関節は関節面、関節体、関節包および関節体の間にある関節腔。さらに必要に応じて補強靱帯、関節円板、関節唇および滑液包もみられる。2つの関節体からなる関節では、動く方の関節体を可動部、比較的静止している方を基部という。関節腔の内面に滑膜と呼ばれる組織があるもをいう。(恥骨結合のように骨間組織に空隙を含み得る連結でも滑膜を備えないものはこの分類には入らない)連結系の中で運動性が最も大きい。関節の語を狭義に用いるとき、しばしば滑膜性の連結のみを指す。関節は老人性変化を受け、血管のない関節軟骨はその弾力性を失う。老人では軟骨におおわれた関節面に障害や退縮がみられる。また軟骨縁には増殖が起こってくる場合もある。この軟骨の増殖は後に遊走してきた骨芽細胞によって骨に改造されることもあり、この骨が運動を制限するように作用するこのような過程は椎骨の小さな関節で起こりやすい。しかし関節の変化はその関節が過度の働きを強いられるときには、若年者においても現れることがある。[臨床]すべての可動関節の運動範囲をよく確かめることが大切である。関節をなす骨が正常な位置からはずれているとき、その関節は脱臼dislocateしているという。可動関節のうちのあるものは、靱帯による補強が弱いか、関節面の形が悪いか、あるいは筋による補強がないために、とくに脱臼しやすい。肩関節、顎関節、肩鎖関節はその好例である。股関節の脱臼は通常は先天的異常によるもので、正常状態では大腿骨頭を定位置に保持するはずの寛骨臼が不十分な発育を示している。膝関節のごとく体重の大部分を支える関節の内部に軟骨性の円板が存在する場合には、スポーツを行うときのその円板が損傷を受けやすい。特に急速な動作時に円板が正常位置よりずれて、2骨の関節面で押しつぶされることがある。神経系の疾患(例えば脊髄空洞症syringomyelia)では関節での痛覚が失われる。そのために、関節の正常範囲を超える運動が起きないように働く警告反応としての痛覚が欠如する状態下で、ついには関節の破壊を来す。さらに、関節の分類についての知識も臨床上有用である。というのは、ある種の疾患は特定のタイプの関節群をおかすからである。例えば淋菌性関節炎gonococcal arthritisは膝関節、肘関節、手関節などの大きな滑膜関節をおかす。結核性関節炎もまた滑膜関節をおかし、そのさいに滑膜あるいは骨から炎症が始まる。2個以上の関節が同じ神経支配を受けることがある点に注意を要する。例えば、股関節と膝関節はともに閉鎖神経の支配を受ける。このため、これら2関節の内の一方の病変に際して両方の関節に痛みを感じることがある。

Facies articularis(関節面)Articular surface かんせつめん [A03.0.00.021]

 骨の関節面は裂隙状の狭い関節腔を隔てて向かいあう。関節面の結合力は、向かい合う骨どうしが互いに押しつけられた形になっている。これは、何らかの形で荷重がかかっていることによるが、周囲の筋の作用も大きい。結合力の原因としてしばしば大気圧の力が強調されるが、これは関節腔内が陰圧のときにのみ、作用しうる程度のものである。筋力に抗して、骨間を引き離すように外力を働かせたときにのみ、関節腔内を陰圧にすることが可能である。このような状況は生理的条件下では起こり得ない。

Articular cartilage (Head of femur )(関節軟骨(大腿骨頭))Cartilago articularis (Caput femoris) かんせつなんこつ

[A03_0_00_021_1]→骨の発生の始めにできる軟骨は、骨端軟骨のほかに、隣接する骨と対する骨端面、すなわち、関節面にも残る。この軟骨は関節軟骨といわれ、骨端の成長にあずかるとともに、関節面に加わる外力に対する緩衝帯となって、関節面における摩擦を減じ、骨を保護する。

Articular surface (Head of femur )(関節面(大腿骨頭))Facies articularis (Caput femoris) だいたいこつのかんせつめん [A03_0_00_021_2]
Cavitas articularis(関節腔)Articular cavity かんせつくう [A03.0.00.022] Feneis: 400 34

 連結部全体は骨膜の続きである関節包(関節嚢)に包まれるため、骨間の間隙は閉鎖された関節腔をつくる。関節腔は裂隙状の毛細腔であって、その中には滑液が含まれる。

Fossa articularis(関節窩)Articular fossa かんせつか [A03.0.00.023]

 対向する関節面の一方は凸面の関節頭となり、他方はそれに対応した関節窩となるのが最も通常の場合である。

(Caput articulare)((関節頭))(Articular head) かんせつとう [A03.0.00.024]

 関節面の凹面である関節窩に対応した凸面の関節頭である。

Labrum articulare(関節唇)Labrum かんせつしん [A03.0.00.025] Feneis: 400 37

 関節窩の縁に線維軟骨性の関節唇があって、関節窩の大きさと深さを補う場合もある。肩関節や股関節では関節窩を縁取るように線維軟骨性の突起が出て、関節窩の大きさを補っている。このような突起を関節唇とおいう。関節円板と同様に関節唇も血管や神経の分布を受けていない。

Capsula articularis(関節包、関節嚢)Joint capsule かんせつほう、かんせつのう [A03.0.00.026] Feneis: 066 21, 400 38

 関節包(関節嚢)は骨膜のつづきで関節腔を完全に包む。関節包は緊張または弛緩することができ、関節体の軟骨におおわれた面の近くに固着している。外層の線維膜(線維層)と内層の滑膜(滑膜層)の2層とからなる。滑膜の内面からぬるぬるした、糸をひくような滑液が分泌され、摩擦を軽減する。

Membrana fibrosa; Stratum fibrosum(関節包の線維膜、関節包の線維層)Fibrous membrane かんせつほうのせんいまく、かんせつほうのせんいそう [A03.0.00.027] Feneis: 400 39

 関節包の外層は骨膜の表層部につづく線維膜(線維層)で、強い結合組織からなる丈夫な層である。この層の線維はそれぞれの部位もしくは層によって特定の走行をとり、一部では密な集団や束をつくって各関節包の特定の部位を強めている。いろいろの厚さの線維膜はほとんど弾性線維をもたないが、多くの膠原線維を含んでいる。線維膜が不規則な層構造を持つことから、その弱いところで滑膜が線維膜を通り抜け裏返しになって飛び出した状態になることがある。この突出物のことを外科医はガングリオン(結節腫)と呼ぶ。

Membrana synovialis; Stratum synoviale(滑膜、滑液層)Synovial membrane かつまく、かつえきそう [A03.0.00.028] Feneis: 400 40

 関節包(関節嚢)の内層は疎な、柔らかい結合組織からなり、滑膜(滑液層)という。滑膜には多数の小さい滑膜絨毛が突出したり、また脂肪組織塊を含む滑膜ヒダがあって関節内の死腔を埋めることがある。線維膜は部分的に厚くなって関節を補強するが、靱帯はこれがとくに発達したものまたはそれとは別に形成されたものである。滑膜は表層の滑膜細胞と、弾性線維、血管および神経が含まれる固有層とからなる。血管の豊富なことは関節の活動と直接の関連があり、したがって活動の盛んな関節はあまり活動しない関節よりも概して血管に富んでいる。滑膜に慢性的な刺激があると、滑液の分泌亢進がおこり、関節腔中に浸出液がたまる。このようなとき、線維層の弱い部分から滑膜が飛び出し、滑液嚢胞を形成することがある。

Plica synovialis(滑膜ヒダ)Synovial fold かつまくひだ [A03.0.00.029] Feneis: 400 41

 滑膜には脂肪のつまったは関節腔内へ飛び出す突起、すなわち滑膜ヒダと滑膜絨毛がみられる。その大きなものは脂肪組織を含み、対向する関節面の適合しない部分を補い、関節内の死腔をうずめている。

Villi synoviales(滑膜絨毛)Synovial villi かつまくじゅうもう [A03.0.00.030] Feneis: 400 42

 滑液ヒダの表面から小さな多数の滑膜絨毛の突出が見られる。

Synovia(滑液)Synovial fluid かつえき [A03.0.00.031] Feneis: 400 43

 関節包内面や関節軟骨の表面は滑膜ヒダの表面から分泌される少量の滑液によって潤されている。この滑液はムチンを含み糸を引く無色透明な液であって、卵白に似た性状もっている。滑液は潤滑作用の他軟骨を栄養する働きをもっっている。その粘度はヒアルロン酸の含有によるものであって、温度依存性がある。すなわち温度が低いほど、滑液は粘稠となる。滑液はまた、血漿の透析瀘過液に滑膜細胞の分泌が加わったものと見なすことができるから、種々の疾患の際、その組成すなわち科学的および物理的性状を診断の補助手段として利用することができる。

Discus articularis(関節円板)Articular disc かんせつえんばん [A03.0.00.032] Feneis: 400 35

 関節腔内に関節円板が存在して、関節腔を完全に二分することがある。関節円板の構造は表層部が線維軟骨様、中心部が腱様である。関節円板や関節半月は対向する骨間に介在して、関節面の適合性をよくする働きがある。血管や神経の分布を受けていない。

Meniscus articularis(関節半月)Meniscus かんせつはんげつ [A03.0.00.033] Feneis: 400 36

 関節腔内が関節半月によって関節腔が不完全に分けられることがある。関節円板や関節半月は対向する骨間に介在して、関節面の適合性をよくする働きがある。

Ligamenta(靱帯)Ligaments じんたい [A03.0.00.034] Feneis: 400 44

 靱帯は骨を互いに結んでその連結を補強するもので、帯状ないし膜状の強靭結合組織から。大部分は関節に付属し、その過度の運動を防ぎ、運動の支えとなり、そのほか運動を規制する。関節包の線維膜が部分的に厚くなったものも多いが(関節包靱帯)、関節包から区別できるかまたはこれと離れている場合もある(副靱帯)。副靱帯は多くは関節外にあるが(関節包外靱帯)、ときには関節内にみられる(関節包内靱帯)。関節包内靱帯には、完全に滑膜に包まれて関節腔内にあるもの(大腿骨頭靱帯)、関節内に突出する滑膜のヒダに包まれているもの(膝十字靱帯)、関節腔を二分するもの(関節内肋骨頭靱帯)がある。

Ligg. intracapsularia(関節包内靱帯、関節内靱帯)Intracapsular ligaments かんせつほうないじんたい、かんせつないじんたい [A03.0.00.035] Feneis: 400 47

 副靱帯は多くは関節外にあるが(関節包外靱帯)、ときには関節内にみられる(関節包内靱帯)。関節包内靱帯には、完全に滑膜に包まれて関節腔内にあるもの(大腿骨頭靱帯)、関節内に突出する滑膜のヒダに包まれているもの(膝十字靱帯)、関節腔を二分するもの(関節内肋骨頭靱帯)がある。

Ligg. capsularia(関節包靱帯)Capsular ligaments かんせつほうじんたい [A03.0.00.036] Feneis: 400 46

 関節包の線維膜から分化した靱帯。関節包の線維膜を構成する結合組織線維が特定の集束をつくるものであって、関節包と分離することが出来ない。関節包靱帯は関節包自身とくにその線維膜をさすことが多い。

Ligg. extracapsularia(関節包外靱帯、関節外靱帯)Extracapsular ligaments かんせつほうがいじんたい、かんせつほうじんたい [A03.0.00.037] Feneis: 400 45

 関節包外靱帯は、膝関節の外側側副靱帯などで関節包の外にある。

Recessus articularis(関節陥凹)Articular recess かんせつかんおう [A03.0.00.038]
Bursa synovialis(滑液包、滑液嚢)Synovial bursa かつえきほう、かつえきのう [A03.0.00.039] Feneis: 401 30

 筋や腱が互いに、または骨・軟骨・靱帯などに接する間にある扁平な小嚢であって滑膜(関節包や検証の滑膜と同じ)からなる。腔内に少量の滑液があり、摩擦を軽減する。筋の付着部とくに関節の近くに多く、また近くの関節腔と交通することもすくなくない。滑液包には筋下滑液包、腱下滑液包、筋膜と筋や腱との間にある筋膜下滑液包などのほか、骨や軟骨が皮膚に接する部分にあって筋とは関係のない皮下滑液包がある。滑液包とくに皮下滑液包には出現率が低く、また発達の程度に個人差の著しいものが多い。なお滑液鞘は長い腱を滑液包が取り除いたものである。

Vagina synovialis(滑液鞘)Synovial sheath/s かつえきしょう [A03.0.00.040]

 腱鞘ともいう。体肢などの長い腱をつつんで、これを保護する袋状の膜装置である。もともと関節包が長く腱をとりまいたものであって、外層は線維鞘であるが、その内層は滑膜からなる滑液鞘で、滑液を分泌して骨に接近する腱の滑動を円滑にする働きをする(手や足の屈筋腱、伸筋腱に多く見られる)。腱をとりまいた滑液包がたがいに接する部分からは腱を養う血管と神経が入る。これを腱間膜という。腱間膜が一部または前部失われている場合も多い。

Articulatio simplex(単関節)Simple joint たんかんせつ [A03.0.00.041] Feneis: 400 23

 一般には、各関節は2個の骨の間に作られ、単関節とよぶ。典型的な例としては肩関節(上腕骨と肩甲骨)、股関節(大腿骨と寛骨)や各指節間の関節などである。

Articulatio composita(複関節)Complex joint ふくかんせつ [A03.0.00.042] Feneis: 400 24

 単関節に対し、ある部では3個以上の骨が一つの関節をつくっている。この場合には複関節と呼ばれる。典型的な例として、肘関節では、上腕骨の下端と橈骨および尺骨の上端とが関節を作っている。また手根部に見られる橈骨手根関節では、橈骨下端が3つの手根骨と複関節を作っている。なお関節の運動の可動域の点から、一軸性関節(車軸関節、蝶番関節)、二軸性関節(鞍関節、楕円関節[顆状関節ともいう])、多軸性関節(球関節)と区別されることもある。しかしこれらの運動域には個体差もあり厳密に限定することは出来ない。

Articulatio plana(平面関節)Plane joint へいめんかんせつ [A03.0.00.043] Feneis: 400 25

 平面関節では並進的な滑り運動と面に垂直な任意の軸を中心とする回転が考えられるが(したがたって多軸)、一般に運動は小さく、また実際にはほとんど滑り運動だけであるという。関節面が平面に近い状態で、わずかに滑動性に動くのみである。手根間関節、椎間関節などがこれに属する。平面関節のうち仙腸関節は両関節面上に小さな凸凹が多数あり、ほとんど可動性のないもので、半関節とよばれる。

Articulatio cylindrica(円柱関節)Cylindrical joint えんちゅうかんせつ [A03.0.00.044]

 関節面が円柱状である関節関節。たとえば近位橈尺関節、あるいは歯状突起と環椎骨。

Articulatio trochoidea(車軸関節)Pivot joint しゃじくかんせつ [A03.0.00.045] Feneis: 400 30

 一軸関節は特定の1軸を中心とする回転だけを行う。このうち車軸関節では骨の長軸を中心とする内旋・外施(合わせて回旋という)が行われ、蝶番関節では横方向の軸を中心に屈曲・伸展が行われる。屈伸のさい骨が運動軸方向にずれる運動を伴う蝶番関節をラセン関節とよぶが、ヒトでその著しい関節はない。関節頭が完全に環状をなしており、関節窩内を車輪のように一軸性に回転運動を行う。上・下橈尺関節がこれで、前腕の回内、回外運動を行う。

Ginglymus(蝶番関節)Hinge joint ちょうばんかんせつ [A03.0.00.046] Feneis: 400 28

 両関節面が円柱面の一部をなす状態のもので、いわゆる蝶番状に一方向(一軸性)にのみ運動が可能である。膝関節、肘関節(腕尺関節)、距腿関節、指節間関節などがこれに属する。ただし指節間関節以外のものは多少なり、運動軸がラセン状を描くことになるこれをラセン関節という(例、上腕骨の滑車と尺骨頭との間にある腕尺関節)。

Articulatio bicondylaris(双顆関節)Bicondylar joint そうかかんせつ [A03.0.00.047] Feneis: 400 29

 顎関節のように両関節面の間に関節間軟骨を備えた顆関節。

Articulatio sellaris(鞍関節)Saddle joint あんかんせつ [A03.0.00.048] Feneis: 400 31

 両関節面が鞍の背面に相当するもので、互いに直角方向に働く二軸性の関節である。例としては母指の手根中手関節。

Articulatio ellipsoidea(楕円関節、顆状関節)Condylar joint だえんかんせつ、かじょうかんせつ [A03.0.00.049] Feneis: 400 27

 両関節面が楕円状をなし、その運動は楕円の長、短軸に相当する二軸性関節である、顆状関節と楕円関節とに区別する場合もある。例えば橈骨手根関節は楕円関節であり、膝関節や顎関節は顆状関節である。しかし両種関節の区別は、かならずしも明瞭ではない。

Articulatio spheroidea; Enarthrosis(球関節、臼状関節)Ball and socket joint きゅうかんせつ、きゅうじょうかんせつ [A03.0.00.050] Feneis: 400 26

 球関節およびこれに当たる欧州語名には異名や意義が多い。Enarthrosisは独ではNubgelenk臼状関節で以前は杵臼(しょきゅう)関節をさすが、英仏では古くから球関節そのものを意味していた。Articulatio cotylicaはB.R.でball-and-socket jointのラテン語形として採用されて以来、英では球関節をさす。ところがP.N.A.では始めArticulatio sphenoideaとは別義とされていたので、日本では杵臼関節を臼状関節と改めてこれに当てた。その後P.N.A.1961でこれをArticulatio spheroideaの同義語に改めてから、日本解剖学用語は球(臼状)関節となった。Arthrodia B.N.A.はよく動く関節のことで、運動のほとんどない、運動ほほとんどないAmphiarthrosisを除いた全ての関節を指していたようであるが、独では実際には多軸関節(ときに2軸関節の含める)をよぶことが多かった。一方、仏のarthrodieは平面関節をよぶ最も普通の名称であり、英ではあまり使われないが同じ意味である。 球関節は関節頭と関節窩がともに半球状をなすもので、肩関節、股関節がその代表的なものである。運動は最も自由で多軸性に行われる。球関節の中で関節窩が深く運動の制限されたものを臼状関節という(例:股関節)。

Articulatio cotylica(臼状関節)Cotyloid joint うすじょうかんせつ [A03.0.00.051] Feneis: 400 26

 球関節で関節窩がとくに深いと臼状関節と呼ばれ、肩関節にくらべると運動性はやや制限される。例:球関節

Amphiarthrosis(半関節)Amphiarthrosis はんかんせつ [A03.0.00.052]

 英仏では軟骨性の連結とくに線維軟骨結合をさし、独では可動性のごく小さい関節を(狭義)をさす。緊密関節とも呼ばれる。関節の1つの異型で、これはごくわずかの可動性しかない。それは強靱な靱帯と丈夫な関節包および多くの場合平滑でない関節面をもっていることに起因する。例として仙腸関節。

Abductio(外転)Abduction がいてん [A03.0.00.053]

 四肢の外転は四肢を体正中線より遠ざけるような、冠状面内の動きを指す。

Adductio(内転)Adduction ないてん [A03.0.00.054]

 外転に対して内転は四肢を冠状面内で正中線に近づける動きを指す。手指や足趾の場合は、外転が外転が指を遠ざけ、内転が指をたがいに近づけるような動作に一致したものとなる。

Rotatio externa; Exoratatio; Rotatio lateralis(外旋)Lateral rotation がいせん [A03.0.00.055]

 回旋とは体の一部を、その長軸を軸として回す運動のことで、外旋の場合は動く場所の前面が外側に向かう。

Rotatio interna; Endorotatio; Rotatio medialis(内旋)Medial rotation ないせん [A03.0.00.056]

 回旋とは体の一部を、その長軸を軸として回す運動のことで、内旋の場合は動く場所の前面が内側に向かう。

Circumductio(円運動、循環運動)Circumduction えんうんどう、じゅんかんうんどう [A03.0.00.057]

 円運動は屈曲、伸展、外転、内転の組合せにより生じる関節運動である。

Flexio(屈曲)Flexion くっきょく [A03.0.00.058]

 関節の屈曲という語は、矢状面(正中面と傍正中面を合わせたもの)内での関節動作を表している。例えば肘関節屈曲では前腕と上腕のそれぞれの前面がたがいに近づく。屈曲は一種の前方への動きとなることが多いが、後方への動き(膝関節屈曲時)となることもある。

Extensio(伸展)Extension しんてん [A03.0.00.059]

 矢状面内での、屈曲は逆向きの動きが伸展であり、一種の後方への動きとなることがおおい。

Pronatio(回内)Pronation かいない [A03.0.00.060]

 回旋とは体の一部を、その長軸を軸として回す運動のことであり、内旋の場合は動く場所の前面が内側に向かい、外施の場合は動く場所の前面が外側に向かう。前腕の回内とは手掌を後方に向けさすような、前腕の内旋運動のことである。

Supinatio(回外)Supination かいがい [A03.0.00.061]

 前腕の回外位にある前腕を解剖学的正位にもどす働き動きに相当し、手掌を前方に向けさせるような前腕の外施を指す。

Oppositio(対立、対立運動)Opposition たいりつ、たいりつうんどう [A03.0.00.062]

 たとえば母指と小指を合わせる運動。

Repositio(整復、復位)Reposition せいふく、ふくい [A03.0.00.063]

 正常位置に戻すこと。

最終更新日: 16/07/20

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